アジア10数カ国を中心に現地コンサルタントと提携し、年間のべ600社の中小企業と関わるコンサルタント、株式会社ドリームマーケティングの脇田勝利代表。福岡の若手経営者から絶大な支持を得ている彼が先月、アジア進出を目指す起業家を引き連れて、香港に現地視察を行なった。
<アジア進出は、ハード&ソフトで勝負すべし>
参加したのは、福岡と山口に会社を持つ、30~40代の若手経営者7人。業種は飲食店経営、建設業、旅行代理店などさまざまだが、参加者はみんな、将来アジアを中心に活躍したいと考えている熱い志を持っている者たちだという。
台湾を経由して香港に入り、現地で銀行口座をつくったり、現地で活躍する企業を視察したりと、4日間の日程は実務に即したものばかり。脇田氏によると、今、香港をはじめとするアジアの大きな潮流について、ものづくりの分野では、アジアは日本に追随してきているが、(もしくは、抜いている分野もあるが)お客様を満足させるノウハウ、ソフト面に関しては、日本はまだまだ世界一。今は、ものづくりというハードの部分と組みあわせて、サービスというソフトの部分を売る時代。ただ、福岡の中小企業経営者をはじめ、日本人には「ハード&ソフト」を商品化して、お金に変える仕組みづくりは苦手としている人が多いという。そのため、海外に詳しいコンサルタントは、その仕組みづくりをサポートするために存在していると、脇田氏は話している。
<今年は「海外進出元年」!?>
脇田氏によると、今年は日本人にとって、「海外進出元年」と言っても過言ではないという。その理由のひとつに、人類始まって以来、アジアが経済的に世界の中心になっていることを挙げている。アジアのGDPは全世界の28%だが、今後20年で50%まで高まると予想されているからだ。
また、史上最高値とも言える円高も理由のひとつ。海外での機軸通貨はアメリカドルであり、アジアのなかでもやはりアメリカドルが決済では強い状況にある。対アメリカドルで最高値圏の円高なので、脇田氏は、今のタイミングがむしろチャンスだと見ている。
さらに、日本はアジアのなかでも先頭を走っている状況にある。前述のとおり、ハードの分野は、肩を並べられているものの、日本のノウハウは今でもアジアナンバーワン、世界ナンバーワンの部分は多い。日本人が当たり前に行なっている技術やノウハウは、実はアジア中が欲しているものばかりだという。
【杉本 尚大】
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