外郭団体へ予定金額情報を漏洩した疑いが持たれている福岡県の婚活関連事業。7日、同事業の担当である県福祉労働部の子育て支援課の課長は取材に対し、関係していた職員に対し、調査を行なっている旨を明らかにした。
疑惑は、2006年度から07年度、08年度、10年度と、四会計年度に渡り、県の予算額と「公益財団法人 福岡県地域福祉財団」が出した見積り額すなわち契約金額との差が、順に10円、11円、98円、1,000円という僅差の結果から浮上した。同団体は、福岡県が約95%を出資している外郭団体で、県職員の出向、県OBの再就職(天下り)など、県との密接な関係にある。
この婚活関連事業とは、結婚を希望する独身の男女を対象に、出会いの場となるパーティーやイベントをメールマガジンで伝達するといった内容(関連リンク参照)。また、出会いの場をボランティアで提供する団体を「出会い応援団体」として募集し、HPで紹介することも行なっている。なお、10年度の契約金額は、約1,300万円であった。
僅差の結果について調査中であることを説明した子育て支援課長は、「調査結果の公表については検討中」と語った。また、情報開示された予定価格調書などの金額がすべて黒塗りとなっていることに関しては、「今後も継続して行なわれる事業であり、将来的な影響を防ぐため」と説明している。
「偶然の結果」とするには、あまりにも無理がある内容である。調査結果については、県民に納得のいくかたちで説明していただきたい。なお、同問題を指摘した調査報道サイト「HUNTER」では、随意契約が大半の外郭団体への業務委託、県の情報開示姿勢などについて問題性を指摘している。
【山下 康太】
▼関連リンク
・新たな出会い応援事業 (公財)福岡県地域福祉財団HP
・調査報道サイト「HUNTER」
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