福岡から船で約2時間の場所に浮かぶ島・壱岐-。
この壱岐で麦焼酎を製造しているのが、玄海酒造(株)だ。同社は、酒造免許制度が新設された1899(明治33)年3月に創業し、現在に至るまで111年の長い歴史と伝統を受け継いでいる。そのたしかな味は島内だけでなく、関東地方、さらには中国などの世界からも支持を得ている。
壱岐は、「麦焼酎発祥の地」と言われている。麦焼酎を造る原材料が豊富にあったことから、古来より人びとの生活の身近なところで酒造りが行なわれていた。壱岐の麦焼酎「壱岐焼酎」は、大麦だけでなく米麴を使用しているため、天然の甘味を感じるのが特徴。
1995年には、壱岐焼酎が「地理的表示」の生産指定を受けている。要は、壱岐で造られた酒でなければ、いくら造り方を真似しても壱岐焼酎とは名乗れないということ。同じような「地理的表示」で世界的に有名なものには、ワインのボルドー、ウィスキーのスコッチ、バーボンなどがある。
現在、玄海酒造の社長は山内昭人氏が務めている。山内社長は6代目で、創業者・山内為三郎氏の親族に当たる。「日本には歴史の長い企業が多いなか、わが社も『麦焼酎発祥の地』で111年間酒造りを続けています。地理的には、大手企業のように大量のお酒を造ることはできません。ですが、造れる量は少なくても、長く愛される企業を目指しています」と、山内社長は語る。
同社の主力商品は、樫樽貯蔵熟成「壱岐スーパーゴールド33」。この"33"という数字には、壱岐が北緯33度の位置にあることと、初代が焼酎製造免許を取得したのが明治33年3月3日であることから、アルコール度数を"33度"に調整したという由来がある。ほかにも、壱岐出身で日本の産業界に多大な貢献をし、「電力主」「電力の鬼」と言われた松永安左エ門の名を冠した麦焼酎「松永安左エ門翁」など、同社には歴史を感じさせる商品が数多くある。
長い歴史と伝統の味を持つ玄海酒造の麦焼酎を、ぜひ1度味わってみてはいかがだろうか。
<お問い合わせ先>
玄海酒造(株)
長崎県壱岐市郷ノ浦町志原西触550-1
0920-47-0160
URL:http://www.mugishochu-iki.com
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