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コダマの核心

ライオンズクラブの根元的活性化の視座(3)~求められる発想の転換
コダマの核心
2011年5月11日 07:40

<理念の復権>

求められる発想の転換 地区のガバナーに就任する井上氏が取材の過程で度々、口にされたことは『変革』である。経営する者にとって時代は変遷するから企業は対応に大童になる。常に『変革』が問われる日々に追われる。ところがライオンズクラブの会議で違和感を抱くことがある。「前会長の路線に沿って」という言葉をしばしば耳にする時だ。「はたして従来路線継承程度で危機打開ができるのか」という疑念が湧いてくるのである。「これだけの会員数減少の狭間にあって発想の転換が求められているはずだ」と自問自答をする。

 まずは『ライオンズクラブは社会奉仕団体であり、その先導者である』ことの思想武装の再構築が求められる。ライオンズパーソンの一人ひとりも「社会奉仕の先頭に立つ」ことを意識しなければなるまい。この前提の上にライオンズクラブの行動規範を「尽くし、学び、助け合い、融和を図る」という言葉で語れるようにしたいものだ。『尽くす』という用語は社会奉仕の行為である。『学ぶ』というのは社会奉仕活動を通じて己の徳を積んでいくということだ。

 社会奉仕を通じての『学び』が進行する過程で自分の経営の現実が見えてくる。「経営の学び」を痛感するようになる。ライオンズクラブ会員減少の要因のひとつには会費納入の負担があげられる。中小企業経営の深刻さの一面がある。福岡博多ライオンズクラブの会員が100名を超えていた時点を眺めれば「博多繊維老舗」が数多く所属されていた。斜陽の荒波に呑まれて淘汰を余儀なくされたのでクラブを脱退されたのである。裏を返すと「古き良き時代=供給優先時代」には商売すれば誰でも儲かっていた。その余裕で「社会奉仕にでもひと肌脱ごうか」とライオンズクラブに入会していたのであろう。

<30、40代を取り込もう>
 ところが現在、75%の中小企業が赤字決算申告を行なっているという悲惨な現実がある。「社会奉仕と会社繁栄」の両立は容易でない。だからこそ『学び』の後にやってくる『助け合い』という意味は「ともに経営のことでも助け合っていこう」ということだ。「せっかく、ライオンズクラブで仲間になったのだ。ビジネスでお役に立つことがあれば手伝いしまっせ!!」という意味合いである。

 ライオンズクラブの活性化の有効な手立ては若い会員を入会させることだ。30、40代の経営者に絞ってアタックすることが賢明である。勧誘する先輩であるわれわれ、既存ライオンズメンバーは若い彼らにお返しの必要が生じる。20年、30年経営してきた先輩として「仕事、経営上のことで相談に乗れることは何でも乗ってやるで―」というおおらかな姿勢を示すことが大切だ。この『助け合い』の精神が充満しているクラブ組織は恐らく活性化のお手本になるだろう。

 そして最後の『融和を図る』という意味は「お互いに親睦・遊びをしよう」ということである。まず、「遊び」は最後にきてよかろう。

(つづく)

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