戦後最年少の福岡市長である高島宗一郎氏を支える副市長が、3人体制となって新年度のスタートともに一新された。NET-IBニュースでは今回、各副市長にインタビューを実施した。2人目は、元福岡県警生活安全部長という全国的にも異色の経歴を持つ大野敏久氏。これまでのキャリアを生かして、福岡を日本でナンバーワンの「安心・安全都市」にすべく市政に臨む大野氏に、話をうかがった。
―今回、3人の副市長が選ばれた背景には、渡辺(正光)さんがハード面、山崎(一樹)さんがソフト面、そして大野さんが福岡県警で培われた防災・セキュリティ面でそれぞれ役割分担があると聞いております。
大野 私としましては、3月11日の東日本大震災以来、とくに防災面では身の引き締まる思いがしております。市民に身近なところでは、暴力団が手榴弾で地元企業トップの自宅を狙った事件が起こりました。これは許せない犯罪ですね。ちょうど3月7日に菱川雄治さんが県警本部長に着任する直前でした。
菱川本部長は記者会見で「従来にない捜査手法をとる」とおっしゃっており、これは県警からの極めて強いメッセージだと感じました。それと同時に、その力強いメッセージに行政が応えなければならないと思いました。
そのため、「従来にない行政手法」をとる必要があります。暴力団排除という面では条例もできましたし、かなりきめ細かくはなっていますが、そのほかのことについても各局の方々と話をしながら知恵を出し合っていきたいと思います。
日本は法治国家ですから、当然行政も警察も法律の枠内で動くわけですが、暴力団は法律の枠外の行動をします。この差を埋めるのは知恵しかないでしょう。私自身も昔の凝り固まった知識ではダメだと感じています。やはり、新しい手法を考えていかなければなりません。
―実際に、市民にも危険が及んでいますからね。
大野 俗に言えば、「暴力団は堅気に迷惑をかけない」という言葉もありますが、実際には迷惑をかけっぱなしです。手榴弾に見られるように、武装化も進んでいます。
―今までは中洲でも経済発展していたから、一定の棲み分けもあったと思います。それが、他地方からいろいろな組が絡んできたことで、福岡も油断ならないところに来ていると思います。
大野 勘違いしてはいけないのが、やはり福岡市は人口に比例して暴力団関係者も多いということです。私は、実は中洲交番がスタートで、そこでいろいろな勉強ができましたので、その経験は生かしたいと思います。
【文・構成:大根田 康介】
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