レベル7と発表された福島原発事故は、直接的に地元に大きな被害をもたらしているが経済的にも国の内外にこれほどまで影響がおよぶのかと驚かされている。当初、この岩手、茨城、福島三県のGDPは20兆円と聞いていたので、まずはと安心していたが、関連して国内、世界におよぼす経済的な被害の大きさには驚きだ。部品ひとつでも供給が止まれば自動車1台が生産ストップしてしまうという。世界のシェアで90パーセントを占める物もあるというので驚いてしまった。
殺人兵器であった長崎原爆では町を指定して原爆症を認定しており、それはキロ数では南北12キロ、東西6キロになるという。しかし、直射を受け、皮膚が焼けただれた人や頭髪が抜けて丸坊主になった人のなかには、まだ生きている人たちがいる。きのこ雲のための灰まみれになった畑でできた野菜などを毎日食べて生きてきた人たちもいる。人間が持つ自然から与えられた不要な物を排拙する生理作用には偉大な力があり、やたらに恐怖心をあおるのも如何なものかと思ってしまう。しかし、幼児については大人より甲状せん癌の影響が大きいという。
原発がメルトダウンを起こし、爆発の危険も懸念されたため、原発反対の声は日に日に大きくなりつつあるが冷静に考えて見れば冷却装置と自家発電が津波の影響を受けなければ今度の大事故には至らなかった。今後、これを地下に造り地震津波からの安全を保てば原発も安心なのではないかと思う。将来的には再生可能なエネルギーにすべきだろうが当面やむをえないのではと考えた。
「破壊と創造」によって世界は成長してきた。敗戦で災害をこうむった町のほうが焼けなかった町より立派な町として復興した。「将来は明るい」と信じて、被災地の方々には頑張っていただきたい。
【株式会社 オオモリ総建会長 大森 奨】
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