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特別取材

機能的な物流・観光拠点を目指す~博多港振興協会(3)
特別取材
2011年5月 8日 07:00

(社)博多港振興協会 会長 角川 敏行 氏

 博多港に関わりを持つ運輸会社、船舶会社、商社などで構成される(社)博多港振興協会。アジアに開かれた港湾機能が求められるなか、博多港運㈱代表取締役会長で同協会会長でもある角川敏行氏に、これからの博多港のあり方について課題と展望を聞いた。

(聞き手、文・構成:I・B編集長 大根田 康介)

<ロジスティックハブへ>

 ―アイランドシティの問題についてですが、現状をどのようにお考えですか。

 角川 きれいな街もできていますし、あとは全体をどうして開発していくかでしょう。博多港の国際海上コンテナ取扱量は国内で6番目ですが、物流面で見ますと、実はアイランドシティがなければ大変なことになっていたと思います。おかげさまでコンテナ取扱量は、リーマン・ショック直後を除いて増え続けていますが、ここの施設がなければ75万TEUという量のコンテナは取り扱えません。
(社)博多港振興協会 会長 角川 敏行 氏 そういう意味では、アイランドシティの物流機能はまだまだ拡大させていきたいですし、将来的にはコンテナ量は100万TEU、外国航路乗降人数は100万人を扱えるくらいの規模にしていきたいですね。
 とは言え、規模だけを追うのではなく、機能的に活用できるような港にしていきたいですね。その1つにハブ港の問題があります。たとえば釜山港は、世界各国からマザーボートが立ち寄るような港ですが、博多港はそこを目指しているわけではありません。
 福岡を海側から見れば博多港を中心に、鉄道、空港、高速道路という陸海空の3つの機能が5km圏内にすべて揃っています。これは、ほかのところにもあまりないと思います。その点で、同じハブとは言っても、博多港はアジアの港としてそうした機能を総合的・複合的に絡み合わせたロジスティックハブを目指すべきだと思います。

 ―博多港は「東アジアのマルチ・クロス・ポート」という考え方もあります。これについてはいかがでしょうか。

 角川 実は今、韓国や中国と福岡の物流を鉄道で結ぼうという動きがあります。そのなかで、ランドブリッジという考え方があります。たとえば、日本からニューヨークなどアメリカの東海岸に海上輸送する場合、以前は海上だけではパナマ運河を経由しなければならず、かなり遠回りになります。そこで西海岸にいったん貨物を降ろし、鉄道に積み替えて陸上輸送で大陸を横断して東側に持っていくという、いわゆるアメリカ大陸そのものを橋のように見立てて輸送する試みです。これは、現在のアメリカでは当然のことになっています。
 日本で言いますと、たとえば岡山から中国向けの貨物があるとすれば、いったん鉄道を利用して博多港に集めて船積みをし、そのまま釜山、天津、大連、上海などに運び、そこから鉄道を使う。そうすれば、その延長線上にあるアジアだけでなくヨーロッパまでシームレスで貨物が運べてしまうわけです。
 こうした試みが将来的に具体化してくるでしょう。それができるのは、日本では地理的にも博多港が一番利便性、優位性があるのではないでしょうか。

(つづく)

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<プロフィール>
角川 敏行角川 敏行(かくかわ としゆき)
1935年広島県生まれ。58年山口大学を卒業後、木下産商㈱に入社。65年三井物産㈱に移籍し、九州支社運輸部長などを経て、91年に 博多港運(株)代表取締役社長に就任。05年代表取締役会長に就任し、現在に至る。98年、(社)博多港振興協会副会長に就任し、03年より会長を務める。


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