4月1日、福岡市のNGOだったカンボジア地雷撤去キャンペーン(CMC)は一般財団法人として新たなスタートを切った。5月29日、法人化および過去の活動をまとめた著書「みどりの地カンボジア(仮題)」の出版を記念した祝賀会が開催される。
人が生きるうえで最も大切なもののひとつに「道」というものがある。弊社(データ・マックス)で言えば「情報道」ということになる。CMCの代表を務める大谷賢二氏は、まさしくその「道」を極めた1人と言えるだろう。
CMCは今年5月で創立14周年を迎えるが、この間、カンボジアの復興を中心とした国際貢献を目指して数多くの業績を残してきた。カンボジアではカウンターパートナーであるMAG(マイン・アドバイザリー・グループ)、エマージェンシーホスピタルとの協働による地雷撤去および地雷被害者救済支援、地雷原の村における学校建設(ボップイ安倍小学校、コーントライ夢中学校、トゥールポンローみおつくし中学校)、地雷被害者の心の救済を目的としたラジオ番組「ボイス・オブ・ハート」の開始など。日本国内においては講演会、写真展、学校での授業、街頭キャンペーン、ソフトバンクホークスとタイアップしたチャリティイベントなど、活動の実績は枚挙にいとまがない。
これほど大谷氏を駆り立ててきたものは、いったい何だったのだろうか。
1951年に福岡市で生まれた大谷氏は、九州大学法学部在学中から日中友好運動に取り組んでいた。その後、日本初のパラグライダーのインストラクターとなり、「アジア太平洋こども会議イン福岡」第1回目の創立・中心メンバーとして企画に参加。早くから国際的な活動をしていた。一方で、イベント企画会社と印刷会社を経営する経営者でもあった。
これまで世界80数カ国を旅してきた大谷氏だが、幼少のころより「大ケガで何度も死にかけた」と回顧する。3カ月間、5度の手術で生死をさまよったこともあった。天国の一歩手前から無事に生還したが、自身が経営していた会社は社員たちの力によって維持されていた。「もう俺がいなくても会社は何とかなる。これからは新たな自分の道を探そう」と思い立ち、すべてを後進に託して自らは再び旅に出た。
50数カ国目となる国がカンボジアだった。大谷氏は、これまで中東などで戦争の爪痕はいやというほど見てきたが、とくに女性や子どもたちにも無差別に危害を加える悪魔の兵器「地雷」によって手足をなくした人々の姿は、大谷氏の世界観を大きく変えた。新たな「道」の始まりである。「なぜ戦争が終わった平和な世の中で、こんな悲惨なことが起きなければならないのか」と、大谷氏はまず地雷の歴史と性質について調べた。
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<開催日時>
5月29日(日) 式典12:00~ (受付11:30)
<場 所>
福岡ガーデンパレスホテル(福岡市中央区天神4丁目8-15)
※式典終了後、同会場にて法人化記念および大谷代表の著書出版記念祝賀会を催します。(参加費:10,000円)
尚、参加費の一部は寄付として地雷被害者支援に使用させて頂きます。
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