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自然食販売の草分け、独立採算で難局を乗り切る~アニュー九州(株)・上村眞奈美店長
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2011年5月16日 18:52

 ナチュラルグループ本社が事実上破綻したことで、かつて九州の販売代理店として発足したアニュー九州の事業環境が一変した。業界関係者から同一視されることもあった。現実には、アニュー九州はナチュラルグループとは別組織で消費者から強い支持を得ている。直営春日原店の上村店長に聞いた。 

 -アニュー九州について教えて下さい。

上村 眞奈美 店長 上村店長 自然食品の販売を九州として独立採算制で行っています。分社化によりナチュラルグループ本社とも他地区のアニューとも別の組織です。株式の82%は代表の藤井をはじめ従業員が保有しています。

 ―店舗数は

 上村店長 沖縄を含めて九州に直営と加盟店合わせて46店舗あります。 

 -ナチュラルグループ本社が不渡りを出したことでの影響は?

 上村店長 同じ組織と思われたことで仕入れに支障がでました。しかし、お客様は長いお付き合いの方も多く、変わらぬ支持をいただいています。

 -事業継続について話し合いを持ったとか

 上村店長 ナチュラルグループ本社が不渡りを出したときに直営店の従業員と加盟店のオーナーが集まり話し合いをしました。私を含め働いている人たちは何としても店舗を続けたいという思いで一致していました。結果的にパートを含めて誰一人辞めず、現在でも引越しなど特別な事情を除いて全従業員約70名が仕事を続けています。

 -頑張れる要因は

 上村店長 お客様、生産者に必要とされていることです。私たちのお客様の中にはアレルギー体質の家族がおられる方など私たちの商品を本当に必要とされています。実際に問題発生後仕入が困難になった時に「あの商品はないのか」といった声をいただきました。私たちはお客様を守らなければなりません。また、農家さんを始めすばらしい商品を供給してくださる方々の力にもなりたい。何より私はこの仕事が好きなのです。

 -落ち着きましたか

 上村店長 次第に仕入先が戻ってきて、新しい取引先も増えてきました。幸い弊社の藤井代表が財務畑出身で体力を蓄えていたもの良かったと思います。

 -ナチュラルグループ本社や橋本氏への思いは

 上村店長 風評被害により、こちらも大変な困難に追い込まれました。後ろばかり見ていても始まりません。とにかくより良い商品を多くのお客様にお届けしたいです。

 -お店の特徴を教えてください。

 上村店長 春日原店は正社員1名と4名のパートで運営をしています。ほかのスタッフも定着率が高く平均6年ぐらい勤務していただいています。商品はもちろんですが、彼女たちのコミュニケーションも喜んでいただいています。子育てを経験するなどした主婦ばかりですから。
談笑する藤井社長と上村店長 また、月に1回マクロビオテックの料理教室をやっています。体が元気になる野菜。例えば旬の野菜、いまならたまねぎとかを用いたり。人数は店舗内でやるので限りがありますが10名ぐらいまでなら何とかなります。また、会報で商品やお店の情報発信を行なっています。
 商品ではいろんなものがありますが、水の子会やどんぐり会といった農家さんのお米や野菜果物。エンゼルさんのパンも人気があります。
 リピーターのお客様が多いのが特徴です。

 ―反響も多いのでは

 上村店長 転勤族の方から「あの商品がおいしかった。忘れられない」とかお手紙をいただくと本当にうれしいですね。そうしたお客様とは今でも商品購入などお付き合いが続いています。
 また、地域の4つの保育園からも評価してもらって長きにわたって取り引きをしていただいています。

 ―今後の抱負を聞かせてください。

 上村店長 これまで通りぶれずにやっていきます。先ほど言ったようにアレルギー体質のお子様のお菓子などは本当に必要なのです。もっともっと品揃えを充実させていきたいです。


藤井 昭則 社長 インタビューに合わせて代表の藤井氏からもコメントが得られた。そこで判明したのは各地区にあるアニューの中でも際立って独立性が高いこと。アニュー九州は当初40%だったナチュラルグループの出資を随時買い取りを進め前述の通り18%まで引き下げた。残りも買い取る予定だったが、その過程でナチュラルグループ本社が破綻し、現在同社の資産が凍結されていることが買い取りできない状況となっている。両社の関係は仕入先と販売先に変化しているが、「仕入比率は段階的に引き下げてきた」としてこちらの影響も限定的だという。
 また、ナチュラルグループ本社の放漫経営と破綻によって投機的印象の強い商材なってしまったブラジル酵素だが「商品としての需要は今でも高い」という。春日原店では現在1カ月の入荷待ちになっているという。「供給路を確保するために組合を発足させた」この商品に対して藤井氏は「顧客との契約対象はあくまでナチュラルグループ本社だがアニュー九州のお客様に限って本当にお困りのお客様には道義的代位弁済という形を取らせてもらった」としている。
 現在のナチュラルグループ本社との関係を考えれば商号変更も可能だと思われるが、「それも考えましたが、ずっとこれでやってきた。消費者に浸透している」として維持する構えだ。
 「本部の横暴で消費者を困らせてはならない」という使命感でアニュー九州の士気があがっている。

【鹿島 譲二】

アニュー九州(株)
代 表:藤井昭則
所在地:福岡市博多区比恵町1-18-315
設 立:2008年4月
電 話:092-472-7661

春日原店
所在地:福岡県春日市春日原東町2-6
電 話:092-572-8088
FAX:092-572-8524
営業時間:10:00~19:00 休日:年始3日ほど

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