北九州商工会議所 専務理事 羽田野 隆士 氏
<3つの柱は「モノづくり」「観光」「環境」>
―ところで、TOTOの重渕雅敏氏から会頭職を引き継いだ利島康司氏(㈱安川電機取締役会長)の方向性は、どのようなものでしょう。
羽田野 北九州商工会議所は、昨年11月から利島体制をスタートさせています。前会頭の意中の人であった利島氏を得たことで、当商工会議所はより一層の充実を図ることができました。また、副会頭の1人に第一交通産業の田中亮一郎氏を迎えた点に、商業の活性化と若手の育成を重視する利島会頭の方向性が強く出ているのではないでしょうか。
―モノづくりのまちが目指すビジョンを反映しているのですね。
羽田野 北九州は、新日鐵に代表されるように日本でもトップクラスのモノづくり産業のまちですが、これを観光資源として活用できないかと考えたのです。いわゆる「産業観光」を活性化させるために、この分野に強い人材を招いたわけです。
今年11月には、下関商工会議所と共同して「全国商工会議所関門観光振興大会」を開催しますし、中心市街地活性化法に基づく小倉と黒崎の活性化事業も2013年3月まで続けられます。地域の特性を活かした観光を大きく育てるチャンスだと捉えています。そして、もう1つの大きなキーワードが「環境」ということになります。
―若松エコタウンなど、「環境」は行政も力を入れている分野です。
羽田野 北九州は公害問題を克服したノウハウを持っています。中国をはじめとしたアジア諸国では環境問題が起きつつありますので、近い将来、これらの技術を輸出することで北九州企業の潤いにつなげられるでしょう。「モノづくり」を軸に生まれた「観光」と「環境」、この3つの柱で町の勢いを取り戻していきます。
【文・構成:田口 芳州】
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