北九州商工会議所 専務理事 羽田野 隆士 氏
<九州新幹線 全線開業の影響>
―九州新幹線鹿児島本線の全線開業の影響はどうでしょうか。震災があったとはいえ、博多阪急を核とする博多シティは、当初見込みを上回る実績を残しているようです。
羽田野 博多阪急の影響は大きいとは思います。福北連携で相乗効果を狙いたいと考える一方で、博多に負けてたまるか、という気持ちもありますよね。実は、全線開業に合わせて、我々もJR小倉駅の南北出入り口改称の(南口→小倉城口、北口→新幹線口)対抗イベントを予定していたのですが、震災の影響で空振りに終わってしまいました。
―井筒屋におよぼす影響はどうでしょう。
羽田野 3月の井筒屋の売上高は、対前年同月で約1割ダウンということでした。新幹線の影響か、震災による買い控えの影響かは見極める必要がありますが、来店客数からすると3月は土日で対前年比アップした日もあります。博多阪急にお客さんを取られた影響ならば来店客数が伸びることはないはずですので、震災による心理的側面が強いように思われます。
北九州の視点からすれば、福岡へ行かずに地元で買い物してほしいですし、コレットや井筒屋にはがんばってほしいですね。
―井筒屋を支えるのは地元金融機関ですし、地元デパートであればこそ支援に取り組みやすいとも言えます。北九州経済のバロメーターの1つでもありますし、地元経済界の後押しは不可欠でしょう。
【文・構成:田口 芳州】
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