回転寿司向けの寿司ネタを中心に、魚介類の加工・販売を手がけるボングルメ(株)。地場食品加工業者のなかでは、中堅・大手に名を連ねる1社だ。取り巻く業界環境が大きく変動するなか、同社の再建とかじ取りを委ねられた島内和行氏が代表取締役社長に就任して丸4年。同氏の取り組みについて話を聞いた。
<寿司ネタで売上高78億円>
―さっそくですが、堅調な業績で推移しているようですね。
島内 おかげさまで、2011年3月期の売上高は約78億円 、最終利益も1億円前後を確保できる見込みです。当社は寿司ネタを中心に魚介類の加工製品の製造販売を手がけていますが、とくにアナゴを使った食品が好評をいただいています。東シナ海で獲れたアナゴのなかでも最も美味しいアナゴを最新設備の工場で加工していますので、味・品質共に自信を持って提供させていただいています。そのほか、エビ・タコ・イカや貝類なども手がけています。回転寿司で流れてくるネタであれば、マグロを除いてほとんどを取り扱っていますね。
―特殊な管理が必要になるマグロは、専門の業者が手がけることが多いようですね。
島内 マグロは、マイナス60度以下で管理しなければなりませんからね。また、マグロやウナギと違って、当社の主力であるアナゴは市場規模が大きくありません。ですから、ほかの食材も総合的に取り扱う形態になってきます。「元気寿司」さんや「スシロー」さんといった皆さまにお馴染みの回転寿司屋さんや、各食品スーパーさんで売られているお寿司などに当社の商品が使われています。
―80億円前後の売上高であれば、それなりの規模になってきます。物流面をどのように構築されていますか。
島内 先ほど挙げたような大手の回転寿司業者さんは、自前で物流システムをお持ちですので、一括しての納入が可能です。ただ、そうでない業者さんや店舗さんがほとんどですし、すべてに直接配送することは困難です。そのような場合には、ほかの食材を扱われている業者さんに納入し、そちらを介して当社の商品をお届けするかたちになっています。
―仕入や製造拠点は海外ということになりますか。
島内 ご指摘のように、仕入は中国やベトナム、タイなどから行ない、製造工場は中国に置いています。中国の山東省は農水産物の豊かな土地として知られていますので、ほかの多くの企業さんの工場も進出されています。当社は山東省の煙台(えんたい)、威海(うえはい)、日照(にっしょう)の3カ所に工場を設けています。以前は国内に工場を持っていたのですが、ここ5年程で海外にシフトするかたちになりました。
【田口 芳州】
ボングルメ(株)
所在地:北九州市小倉北区赤坂海岸5-17
設 立:1967年4月
資本金:1億3,872万5,000円
売上高:(11/3)約78億円
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