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東日本大震災

仙台市青葉区愛子 傾く家に住み続ける住人~震災後100日経過、被災地は今(4)
東日本大震災
2011年6月23日 07:00

住居などが立ち並んでいたが津波ですべて飲み込まれた(若林区荒浜) 今回の震災で被害が大きかったケースは、海岸線沿いの津波による被害を受けたところが多い。しかし、内陸部でも生活に支障をきたすほどの被害を受けている地区は多くある。仙台の市街中心地からほど近い愛子(あやし)地区は、周囲を沼や森林、多数の山で囲まれた自然豊かな場所である。山に近いこともあり、かなりの急斜面上に戸建や団地が立ち並ぶ形となっている。この愛子地区がかなりの被害を受けているとの話を聞き、現地に向かった。

 たしかに急斜面ではあるが、周辺の学校に通学する児童も多く見られ、立ち並ぶ住居などに被害もとくに見られなかった。しかし、さらに奥に行くと、遠くからでも傾いているのが分かるほどの住居が並ぶ場所にたどり着いた。コンクリート舗装された道路は大きくひび割れ100日を経過した今でも、車での通行が難しい場所もあった。

アスファルト舗装された道路でも地震の前には無力だった(青葉区愛子) 現地周辺の住民によると、地震によって地盤が不安定になり、傾いてしまったという。ただ、今のところ住むことに関して問題はないし、家を出て仮設住宅などへ移ることも考えたが、住居が津波などによって半壊・全快している被災者に優先して入って欲しいので、住み続けているという。

 しかし、今後の余震や梅雨に入り大雨による地滑りなど、傾いている家が崩壊してしまう危険性は常に伴っている。自らの安全を最優先して、一刻も早く仮設住宅などへ移って欲しいが、震災による住居の崩壊を免れて、長年過ごした場所が残っているため、安易に見捨てて離れることができないという意思が感じられた。

(つづく)

【杉元 敦】

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