<今後に向けた社内体制の整備>
―立て直しが進み、売上高も80億円クラス、利益も相応ということになれば、そろそろ資本政策にも目を向けていかなければならなくなります。最終的には上場という選択肢も出てきます。
島内 以前は上場を目指した時期もありましたが、今の段階では上場の方針はとっていません。内部留保よりも、従業員への還元を優先していきたいと考えているからです。ただ、おっしゃるように、きちんとした資本政策をとりながら社内体制の整備を進めることは、将来的には考えていかなければならないと思います。
―同様の視点から、後継問題も出てきますね。
島内 弟が常務として働いてくれていますが、私の息子は当社には入れていません。私が70歳になるまでの7年の間に、この問題に筋道をつけなければなりませんし、後進のためにも、財務内容の充実を並行して進めて行きたいと考えています。
―ご子息は入社されていないのですね。
島内 息子は中国とアメリカの大学を卒業後、大手商社勤務を経て、現在では自ら会社を設立して経営しています。彼を見ていて感じるのは、これからのビジネスは中国だということです。中国にネットワークを持つ日本人は重宝がられますし、将来的な市場規模や成長の速度、活気自体が違います。息子の話から学ぶことが多くあります。
―地元北九州にも活気が欲しいですよね。
島内 我々が子どもの頃は、すべてにおいて活気がある町でした。私は門司生まれの北九州育ちですが、今ではすべてを福岡に持っていかれているようで、危機感を覚えています。今回の震災復興支援を含めて、北九州が元気を出していかなければならない、という思いは共通です。
―海外経験の豊富な島内社長の今後のかじ取りに注目しています。今日は貴重なお話をありがとうございました。
【聞き手:弊社北九州・山口統括本部長 浜崎 裕治】
【文・構成:田口 芳州】
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ボングルメ(株)
所在地:北九州市小倉北区赤坂海岸5-17
設 立:1967年4月
資本金:1億3,872万5,000円
売上高:(11/3)約78億円
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