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東日本大震災

「復興し見違える街へ」 宮城県石巻市~震災後100日経過、被災地は今(6・終)
東日本大震災
2011年6月27日 07:00

 東北地方を襲った今回の震災だが、とくに被害の多かった宮城県で、なかでも甚大な被害を受けたのが宮城県石巻市である。宮城県が6月23日に公表した東日本大震災における被害などの状況によると、宮城県全体の死者9,171人に対し3,110人、住居全壊6万4,228棟に対し18,560棟、避難者数17,353人に対し5,417人といずれも宮城県内で一番の被害状況となっている。

 今回は、石巻駅から被害の大きかった沿岸部および河口部へと向かった。

石巻駅付近でも多数の被害が これまで訪れた場所は、駅付近は被害自体が少なかったり、整備が進んでいたりするところが多かったが、石巻駅付近では老朽化した建物や道路の崩壊している場所が各所で見受けられた。さらに沿岸部のほうへ足を進めていくと、工場や住居が立ち並んでいたであろう場所へとたどり着いた。

 震災前、石巻港付近には大型の工場が多数存在しており、生産拠点としての役割を示していた。しかし、津波の直撃を受けて、外壁は剥がれ落ち、数本の柱でなんとか現状を留めている工場が多数。沿岸部付近にあり、ガレキなどが少なく津波だけの被害だったため、崩壊せずに済んだのであろう。
 一方、大型の工場より内陸にある住居や会社の多くは津波で一掃されており、もぬけの殻となった工場、石巻市沿岸部残っている建物を探すのに苦労するほどだった。被災した多くの工場内では、復旧作業に追われている作業員の姿が見受けられた。行き交う車両の半分は、ボランティアや地元企業の復興支援車であり、また、それ以上のほとんどの車両には、「がんばれ石巻」「心をひとつに」などといったメッセージが掲げられていた。

 震災から100日を経過したが、いまだ崩壊した建物などの片付けを行なっている段階で、国や地方行政、企業や個人のボランティアの総力を結集したとしても、復興への道のりはまだまだ険しいのが現実だろう。しかしながら、わが国は、これまで幾度となく、戦争や災害を経験し、その都度、継続的な復興作業が行なわれ、『今』を形成してきた。

 最後に、地元のボランティアから頂いたメッセージを紹介して結びとしたい。
 「今度は是非復興して見違えるようになった街を見に来てください!」

(了)

【杉元 敦】

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