東日本大震災の復興支援を行なう、福岡の官民ボランティア「ふくおか元気応援隊」で、6月20日から25日までの6日間、宮城県仙台市で支援にあたった第4期メンバー(37名)が、仕事がなく無為に過ごしたことがあったという実態が参加者などへの取材でわかった。
「ふくおか元気応援隊」の主たる活動地域は仙台市。活動内容は、がれきやヘドロの除去、被災家屋内の清掃、土砂や家財道具の搬出など、被災地の状況と要望に基づくもの。内容については、被災地のボランティアセンター(以下、VC)で割り当てられていた。復興活動が進むなか、仙台市のボランティア需要は減ってきている。
参加者によると、VCで要請される仕事がなく待機となったが、別のVCで仕事を探そうとしたところ、個人行動はしないようにと止められたという。この事実に関し、福岡市は、「土砂降りの雨で活動できずに待機することはあったが、それ以外は活動している」と説明。
一方、主催する「がんばろう日本」福岡・九州推進協議会によると、事前に現地VCと調整しているが、ボランティア活動は被災者からの依頼に対応してあるもの。周辺VC同士でボランティアの振り分けもしているが、それでも当日になってボランティア需要が増減することはあるという。
しかしながら、仙台市のボランティア需要は減ってきている一方で、ほかの被災地では、圧倒的にボランティアの需要が高い地域も少なくはない。団体行動を原則とするならば、状況に応じ、臨機応変に対応する権限を現場に委譲、もしくは被災地の自治体やVCと派遣前に具体的な調整をしておくことも考えておくべきではないだろうか。
37名といえば、軍隊では小隊の規模に相当し、まとまった労働力として活躍の場も多いはずである。「行ってから仕事を探す」のでは、団体行動という縛りがある分、自由に動ける個人ボランティアよりも役に立たない。
「ふくおか元気応援隊」は、5月9日から14日まで活動した第1期に始まり、9月中旬活動予定の第10期まで予定されている。現在、第5期が活動中で7月2日に福岡に戻ってくる予定だ。同協議会によると、仙台市がボランティアの団体受付を終了することを受けて、第6期以降の活動地域について、被災地の状況をみて検討しているという。
【吉澤 英朗】
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