2010年11月、当選した新市長の竹下司津男氏に経歴詐称疑惑が浮上し、混乱に陥った福岡県古賀市。竹下氏に対して自民党の前田宏三前県議から、混乱の早期収拾を求める申し入れ書が提出されていた。
11年4月10日の福岡県議選で前田氏は、民主党公認の新人・田辺一城氏に破れて落選。同選挙区における古賀市選挙区の定数は1。全国的に民主党への逆風が吹くなかでの敗戦である。前田氏は、09年度の政務調査費で自分の企業に人件費・収支報告書を払っていたことが10年10月に発覚。その後、竹下市長を担いで応援したことも影響し、有権者の支持を大きく失っていた。なお、同じく竹下氏を担いだ渡辺具能前衆議院議員に至っては、5月に政界を引退した。
竹下氏は選挙において、登記上は閉鎖されていた会社の代表という肩書きを使用(なお、竹下氏は告示直前に、同名の会社を資本金100円で登記)したことで経歴詐称疑惑が浮上。前市長の支持者を中心とする市民の間で、粕屋署で受理された公職選挙法違反容疑の告発に対する賛同署名運動が起こった。また、週刊誌などで、竹下氏が過去、新興宗教の幹部であったことが報じられ、竹下氏を推した前田氏・渡辺氏らへの不信感はさらに高まっていた。
【山下 康太】
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