「焼肉酒家えびす」経営の(株)フーズ・フォーラス(石川県金沢市)は、6月8日までに社員60名全員に解雇を言い渡し、営業再開を断念する旨を公表していたが、事後処理を弁護士に一任し事実上倒産した。負債総額は現在精査中だが、死亡および重症患者に対する損害賠償などもあり、数億円規模に膨らむ見通し。
同社は2007年5月、現社長の堪坂康弘氏が富山県高岡市で創業したのが始まり。09年4月に現在の金沢市に本社を移転。「焼肉酒家えびす」の屋号で店舗展開を図ってきた。豊富な品ぞろえの格安メニューで家族連れに人気を博し、08年3月期には10億円を超える約13億円の売上高を計上。さらに神奈川県への進出による店舗増で、11年3月期には20億円を超える売上規模にまで急成長していた。
しかし今年4月に、集団食中毒事件が発生したことで信用を失墜。5月6日には富山県警などが業務上過失致死罪で強制捜査に踏み切り、同日には富山県から食中毒が発生した2店舗が無期限の営業停止処分を受けていた。この間、再建に向けて営業再開を模索していたものの、各自治体が難色を示すなど先行きの見通しが立たず営業再開を断念。今回の措置となった。
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(株)フーズ・フォーラス(石川)/「焼肉酒家えびす」経営
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