<ゴーンさんは9億円>
2011年3月期の大手企業の決算発表が続々なされている。下司の勘繰りだが、「どの経営者が1億円以上もらっているか」が知りたいものだ。やはり注目は日産自動車のカルロス・ゴーンさんだ。報酬総額9億8,200万円である。同氏はフランス・ルノーからも同様の報酬を得ているはずだから、日本円換算で累計20億円前後になるのではないか。トヨタでは、いかにトヨタ一族出身の社長といえどもそんなにもらっていない。まだまだ日本の良き風土は残っている(『オーナー独り占めはいけない』という風土)。
ソニーのハワード・ストリンガー氏も負けてはいない。8億8,200万円の報酬を得ている。グローバル化がなされると、日本の企業経営者は良かったね――『収入を大幅アップできるからね。世間の目も煩くなくなったから。ただし利益を出さないといけないよ』。
大東建託のオーナーであった多田勝美氏の収入も8億円を超えている。儲ければドンドン獲りましょうや(主な役員報酬のリストは以下の通り)。
<大塚HDでは1億円プレイヤー8人>
2011年3月期決算で1億円以上の役員報酬を受け取った企業の役員は294人。前期より5人多いそうな。そこで注目を浴びたのが大塚ホールディングス(HD)である(本社・東京都千代田区、樋口達夫社長)。開示情報によれば、8人の1億円プレイヤーを生みだした。昨年末、大型上場に株式市場が湧いた。大塚製薬や大塚食品を傘下に持つ大塚HDが10年12月15日、東証1部に上場した。初値は2,170円、時価総額は1兆1,937万円、1兆円を超える大型上場となった。この会社の一族役員の8名が1億円メンバーに名を連ねたのである。
『オロナミンCドリンク』、『ポカリスエット』、『ボンカレー』という化け物ロングセラーのヒット商品を数多く持っている大塚HDは、隠れた同族会社であった。ここに至って上場し情報が開示されたことで、全貌が赤裸々にされたのである。まー、一族のバランスを図って平等に所得分けをしている。言うなれば現代版『華麗なる一族』の一例である。
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