<デマンド監視で大幅節電>
一定の問題を解決しようとするときには、現状を把握することが欠かせない。これは節電でも同じだ。ただ、どの時間帯にどの部署でどれくらいの電力を消費しているのかといった詳細については、電気料金の明細書からだけでは見えてこない箇所が多い。
これを把握するために同社が導入したのが、日本テクノ(株)の「スマートメーター・ERIA」であった。「ERIA」は「デマンド値」を監視しながら状況を視覚的に表示する装置であり、「デマンド値」とは当該事業所における最大需用電力を意味する。電力会社は年間を通じて最大のデマンド値を電気基本料金の算定根拠としているため、この値を小さくすれば電気の基本料金から節約できることになる。
リフレは「ERIA」を導入することで、電力使用の削減可能部分を洗い出して節電を実施。さらに、削れない部分であっても使用時間帯を適切に配置することでデマンド値を低く抑えて電気料金を節約できる体制を作り上げ、結果として2010年度の電気料金は約140万円を圧縮。過去4年間で節約した電気料金は合計435万円(すべて06年度の電気料金を基準とした)にもなる。注目すべきは猛暑の影響を受けた10年度は、電気使用量が上がっているにもかかわらず電気料金が下がっている点。これを考え合わせると、実質的な経費削減効果はさらに高いものであったことがうかがわれる。
これらのほかにも、改善は日々続けられている。目下、エアコン室外機の簡易冷却システムを製作中で、需要の増す夏場を控え、急ピッチで作業が進む。
紹介した節電や排熱利用といった省エネへの取り組みにより、リフレは4年間で約1,000万円、1年あたり250万円の経費圧縮に成功している。他方で、省エネ設備に投じた費用は約450万円。今後のことも考えると、数値のうえからも十分にペイできる投資であったといえよう。
「積み上げたノウハウを地元の中小企業の経営に活かしてほしい」と語る加藤専務は、「気軽に相談して下さい」と屈託なく笑う気さくなスポーツマンだ。省エネやコスト削減に関心のある経営者は、一度リフレを訪ねてみるのもいいだろう。
【田口 芳州】
≪ (前) |
<問い合わせ先>
ノシロ工業(株)
(広島県呉市、椋本定雄代表)
TEL:0823-72-1515
日本テクノ(株)
(東京都新宿区、馬本英一代表)
TEL:093-512-6555(北九州営業所)
TEL:092-477-8880(福岡営業所)
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら