きょう(20日)、衆議院予算委員会に参考人として出席した九州電力(株)(本店:福岡市中央区)の眞部利應社長は、やらせメール事件の責任をとって辞任する意思を明らかにした。公の場の初の辞任表明となる。
眞部社長の辞任表明に対し、4月20日から九電本店前で反原発を訴える座り込みを行なっている「九電本店前ひろば」では、取材に対し、辞任の経緯について慎重な声が寄せられた。
北九州市から週3回参加している元教員の60代男性は「やらせメールは(九電の)危機感の表れ。次にどういう人が社長になるかが重要」とコメント。また、座り込み運動のリーダーの青柳行信氏は「すぐに辞任ということにはならないだろう。辞める前にすべての原発をとめる筋道を立てることが社会的責任だ」との見方を示した。
座り込みは、きょう現在で91日目。台風のため、7月19日に初めて休みをとった以外は、連日行なわれている。同ひろばを拠点に集めた反原発の署名は5,000人を超えた。九州全体では約3万人の署名が集まっているという。話をした九電社員のなかにも「社員というだけで原発推進と思われたくない」と語っている人は少なくはないと青柳氏はいう。
今回の九電社長辞任に関しても、さして気にとめていない風でもあった。そもそも本来の目的はすべての原発を停止させること。30度を超える猛暑がほぼ連日続くなか、反原発運動はさらなる熱を帯びていきそうだ。
【山下 康太】
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