7月24日(日)正午、テレビのアナログ放送が終了した。今月に入り、アナログ放送のテレビ画面には左下に白字で「アナログ放送終了まであと○○日」という表記がなされていたが、24日正午になった時点で「アナログ放送終了」と書かれたブルーの画面に各局切り替わった。
アナログ放送終了と同時に総務省が全国51カ所に設置した「デジサポ」には高齢者を中心に問い合わせが殺到。25日午後、弊社の記者がデジサポに問い合わせの電話を入れた時も、対応する係員の背後で電話音がひっきりなしにかかり、対応に追われていた。ホームセンターなどで販売されていた地デジ変換チューナーも売り切れ店が続出したことで、24日正午以降、テレビを閲覧できていない人が多いのも事実だ。
しかし、アナログ放送は終了したものの、例外措置によりケーブルテレビ加入者のみアナログ放送を視聴できることは意外にも知られていなかった。デジサポの職員によれば『デジアナ変換』を導入しているケーブル会社に加入していれば、最大で2015年3月まで視聴可能とのこと。総務省も昨年(10年)10月にこの事を発表していた。「デジアナ変換」は、ケーブルテレビ事業者が、地上デジタル放送の番組を再送信するとともに、期間限定(2015年3月末まで)の暫定的措置として、地上デジタル放送をアナログ方式に変換(デジアナ変換)した信号も併せて各家庭に配信するものだ。
だが、この事を知らずして、地デジ対応のテレビを購入した人たちも多く、筆者も今年7月上旬にテレビを買い換えた。福岡市在住の30代男性サラリーマンは、「24日午前中、急いでテレビを買いに行ったが、アナログ放送が写っていたのでおかしいと思っていた。あせって購入する必要はなかった」と残念がる。「今年8月には現在品切れが相次いでいる地デジ変換チューナーも販売されるそうです。ケーブルテレビもアナログ放送に対応しているか確認して申し込んで頂きたいです」とデジサポのスタッフは話す。ケーブル工事は業者によっては数日、数週間かかるところも多いため、早急には見れないが、従来からケーブルテレビを閲覧し、急いでテレビを買いに行った人たちにとっては、ワリを食った形となった。
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