日本の株式市場では、3.11の東日本大震災と福島第1原発事故の前後で、企業価値の目安となる時価総額(株価×発行株式数)の逆転が相次いだ。好調企業のキーワードは「ネット」だ。新興のインターネット企業が、これまでビジネスの中心だった老舗企業と比べて一段と存在感を高めている。
その一例は、若者から圧倒的な支持を得ているアパレル系ショッピングサイト「ZOZOTOWN」(ゾゾタウン)を運営する(株)スタートトゥデイ(本社:千葉市、前澤友作社長、東証マザーズ)。7月27日時点で、スタート社の時価総額2,287億円に対し、高島屋は1,951億円、大丸松坂屋百貨店を傘下にもつJ.フロントリテイリングは2,005億円と、創業して10年そこそこというネット企業のスタート社が、老舗百貨店の時価総額を逆転した。
スタート社はファッションのネット通販で急成長してきた。2011年3月期(連結)の売上高は238億円(前期比38.7%増)、営業利益は58億円(同80.8%増)で営業利益率24%強と驚異的数字を達成し、時価総額は1年で2倍以上になった。
手で触れることも試着することもできないネットで、アパレルを購入するという考えが市民権を得たという点で、あきらかに価値観の転換が生じていると言えるだろう。
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