＜ローコストプラスワンで業界に新風＞

　医療用品製造を手掛ける（株）ファーストレイトは、徹底した低価格路線と付加価値で次々とヒット商品を開発。設立後わずか10年にして医療業界で高い評価を受けるようになった。同社の医療器具を保管する滅菌パウチ「ステリーフ」は実用新案を取得し各地の医療施設で広く活用されている。ほかにも紙コップや手袋などの一般的なものからシーツ・ガウン・キャップなどあらゆる医療用品・介護用品の製造を手掛ける。

　はじまりは整形外科医からの相談だった。「既存のサポーターより使い勝手の良いものはないか」試行錯誤を重ねようやく製品化にこぎ着けた。評判は上々で新たな商品開発につながっていった。現在では人体のあらゆる部位に対応したサポーターを製造している。この分野で信頼を得たことで新たな宿題がくるようになった。医療現場の生命線・感染症予防の製品である。機能性や信頼性で高い評価を受けマスクや手袋などで極めて高い評価を得ている。常に従来品「プラスアルファー」の思考を貫いた結果の躍進だった。

　しかし、こうした高機能製品について長谷川代表は「購入可能な価格であってこそ」と指摘する。「いくら良い製品でも購入で可能な金額でなければ意味がない」というのだ。同社の製品は中国・韓国・台湾・インドネシア・マレーシア・香港の各提携工場で生産される。商品の特徴や製造元の得意分野によって使い分けているが、海外で製造することで大幅なコスト削減を実現しているのだ。代表の長谷川氏は学生時代に２年間のカナダ留学を経験、語学とコミュニケーション能力を磨いた。こうした経験が、短期間でアジア各地の優秀な工場を確保することに役立った。

＜東日本大震災で医療への思いを新たに＞

　先の東日本大震災に際して、医療関係従事者として心を痛めない訳にはいかなかった。「何かできることはないか」即座に被災各地にマスクを送った。ほどなく宮城県石巻市からお礼の写真と紙人形が届いた。苦境のなかでも、忘れない感謝の心がうれしかった。こうした出来事を期にさらに気を引き締めている。「感謝の声よりもクレームの方が多い業界。人命にかかる以上標準以上があたりまえ」なのだ。長谷川氏は「患者さんやスタッフなど現場の方が使いやすい製品を生み出し続けたい」と先を見据える。ファーストレイトの医療用の各製品は九州のあらゆる医療現場でも活用されており、今後も積極的に拡大を図っていく方針。また、新製品も続々と投入される予定だ。

COMPANY INFORMATION
（株）ファーストレイト
代　表：長谷川　友彦
所在地：群馬県伊勢崎市赤堀鹿島町845-2
設　立：2002年1月
ＴＥＬ：0270-20-2225
ＦＡＸ：0270-20-2085
URL：http:www.first-rate.co.jp

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