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検証・新日鉄と住金の合併 北九州経済に与える影響は?(19)~「小倉興産」売却後の苦悩(2)
発信!北九州
2011年7月30日 07:00

 小倉興産(株)を買収したアドバン社は、小倉興産の事業を再構築した上、東証二部に上場させ上場益を得るのが目的だったが、(株)アパマンショップネットワーク(以下、アパマン)から有利な引き合いがあったために、経営支援から手を引き転売することを決めた。
 2005年2月、アパマンは100%出資する特別目的会社ASアセットを通して、小倉興産の株式を取得し子会社化(資本金10億500万円、議決権保有割合93.7%) 。小倉興産は実質アパマンの子会社となる。買収額は約95億円。

アパマンショップ アパマンは不動産賃貸では全国的な知名度はあったが、小倉興産を買収した05年9月期の連結業績予想は214億3,700万円で、企業規模は上場廃止前の小倉興産の半分以下。小が大を呑み込む買収劇であった。
アパマンの大村浩次社長(飯塚市出身)は、「小倉興産の不動産賃貸のノウハウと小倉興産の保有する不動産・商権・信用力を活用し両社の企業価値を高めたい」との抱負を語っていた。

 小倉興産は、親会社が「上場益目当ての投資会社」アドバン社から「事業拡大に積極的な同業者」アパマンに代わり、東証二部上場を目指すことになった。
 産業再生法適用のために小倉興産を売却した住友金属工業に代わって、新しい親会社となったのは同業のアパマンであった。「小倉駅北口」の不動産開発に乗り出すのではとの期待を抱かせる買収であった。

(つづく)

【北山 譲】

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