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コダマの核心

目標貫徹シリーズ(9)~挫折・テレビCMに潰された、エバーライフ・鍋島前社長(前)
コダマの核心
2011年7月 1日 15:27
株式会社エバーライフ 前代表取締役 鍋島 邦洋 氏

<九州一 元気な会社と見られていたが>

「皇潤」 東京に行くと必ず言われるのが、「九州で元気な会社がたくさんあるね。たとえば再春館製薬所とか皇潤とかが有名ね」という言葉だ。この『皇潤』の商品名をだしている会社を知っている人は皆無であろう。会社名は「エバーライフ」である。テレビ・コマーシャル(以下、CM)には極力、社名を伏せてきた。しかし、まーこれだけテレビCMを打てば誰もが「元気な会社だ」と錯覚してしまう。最近では三國連太郎、西田敏行など出演料の高い芸能人を活用していた。そのエバーライフで大事件が発生したのである。

 6月28日付けで鍋島邦洋社長を筆頭に取締役全員が退任した。会社の株は、資本ファンドが所有している。株主からクビ勧告を受けたのである。どうしてか。様々な憶測が流れているが、最大の原因は、広告費に依存した経営手法が行き詰ったということである。コストパフォーマンスに見合う収益があげられなかったのだ。あれだけのテレビCMを打てば売上は多少、伸びるであろう。だが収益性が伴わなければ「ストップ」をかけられるのは時間の問題であった。言うなればテレビ局、広告代理店の懐を潤わせるだけの結果となった。

<テレビCM頼りしか能がなかった?>

 不動産営業マン出身の井氏がこの会社を設立した。当初は不動産セールスを応用した電話コールで売上を稼いでいた。途中からテレビ通販に切り換えて売上を急増させた。オーナー井氏は不動産の売りタイミングを叩き込まれてきた。この機をみる上手さで資本ファンドに会社を売った。一説では『本人は250億円握った』とささやかれ、ねたみもされたものである。井オーナーが経営から外れると必然的に番頭格の鍋島氏が台頭する。

 どういう手立てを練って資本ファンドの中枢に食い込んだのか、いまだ不明である。今から思えば資本ファンドの鑑定能力もたいしたことはない。井氏が経営する時代には数多くの猛者が集まっていた。一芸に秀でていた人材がひしめいていたのである。別に鍋島氏に特別の能があったのではない。ただ「テレビCMの資金を打ちこめば売上は伸びる」という信念は持っていたようだ。

 鍋島氏の実質支配が強まるにつれて一芸に秀でていた連中は退社の道を選んでいった。または居づらくなって止めざるを得なくなってきた。残ったのは提灯持ちか経営内勤者が大半になった。ここで完全な鍋島体制が構築されたのである。この会社のOBが語っていた。「鍋島氏が販促の特技があるわけではない。あるのはテレビ依存の確信だけである」と。この時は「負け犬の遠吠え」としか受け止めていなかった。現局面に至るとOBの指摘は正解の様相を呈してきた。「250から300億の範囲で推移してきた売上は、テレビ依存病に侵されていた」との診断が下されたのである。鍋島氏が退任されたとしても破格の待遇を得ていたから食うには困らないだろう。もう何もしないほうが賢明だ。

(つづく)

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