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脱原発・新エネルギー

原発推進がやめられないわけ 経済産業省「電力互助会」の暗躍(2)
脱原発・新エネルギー
2011年7月12日 07:45

経済産業省 菅首相の打ち出した「脱原発」路線に焦ったのは、まさに電力会社と経産省の主流派官僚たちであった。菅は5月24日渡仏しG8サミットに参加、26日にはサルコジ大統領らのいる前で「2020年代の早いうちに(太陽光や風力など)再生可能エネルギーの比率を20%超にする」という意欲的な目標を国際公約として宣言した。

 このとき同行したエネ庁幹部たちは「とても実現できません。2030年に20%がいいところです」と翻意を促したが、首相は振り切っている。帰国後には、たなざらし状態にあった再生可能エネルギー法案の今国会での成立に政治生命をかける姿勢を打ち出した。

 ちょうどこのG8のころ、「菅降ろし」はピークを迎えていた。福島原発事故の初動で菅首相が海水注水の停止を命じたということが、自民党の左翼嫌いで有名な安倍晋三の5月20日付メールマガジンで明らかにされた。安倍元首相と親しいTBSが、安倍氏のメルマガの1時間前にニュースでスクープとして報じたが、安倍氏もしくはその周辺から情報を提供してもらって報じた可能性がある。

 安倍氏のメルマガ後、前日に東電の新社長人事の大誤報をやらかしたばかりの読売新聞が、1面トップで首相の海水注水停止命令疑惑を追随して報道。おりから野党自民党はもとより民主党の小沢一郎グループ内にくすぶっていた「菅降ろし」のマグマが、一挙に爆発寸前の高まりを見せていった。

 後に首相の海水注水停止命令は「なかった」ことが分かったが、あのとき「首相が停止を命じた」と受け取ったのは、当時官邸に詰めていた東電の武黒一郎フェローと、その武黒氏の電話による進言を受け入れて注水停止を命じた清水正孝社長たち東電サイドの要人たちである。

 こうした点から安倍氏らに(結果的に虚偽となった)海水注水停止を垂れ込んだのは、東電の中枢にいる人物という疑いが残る。現に自民党の要路に東電の工作は始まっていたようで、「荒木浩元会長が首相経験者に働きかけている」「技術系幹部が自民党の閣僚経験者にご説明に上がった」という情報が永田町で流れている。加害企業である東電の水面下での逆襲が始まったのだ。

 海水注水停止騒動では、東電サイドのタレコミ疑惑と同時に経産省主流派官僚の介在も疑われている。当時官邸に詰めていた経産省の課長が、菅首相の海水注水停止命令を報じた各紙や放送局の取材に応じ、パニック状態の官邸で総理がエキセントリックになって「再臨界はないのか!」などと怒鳴り散らしている様子を打ち明けているからだ。自民党と東電、経産省が一体となって、脱原発・再生エネルギー重視に傾斜した首相を引き摺り下ろそうという魂胆が透けて見えるのだ。

 それほどまでに経産省が、「菅降ろし」に熱心なのは、電力会社や原子力によってできあがった既得権の仕組みに省全体がすっかり組み込まれているからだ。天下りと予算を通じて経産省と電力業界(原子力)はもちつもたれつの深い関係を築き上げている。

(つづく)

【尾山 大将】

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