16日、日本貿易振興機構(JETRO)は、2011年上半期の日中貿易について、上半期ベースで過去最高を記録したと発表した。
同発表によると、11年上半期の日中貿易は、中国経済の高成長により輸出が増加し、中国製完成品・部品などに対する日本での需要拡大にともない輸入が増加した。その結果、同期日中貿易は総額で前年同期比17.9%増の1,631億5,101万ドルとなり、上半期ベースで過去最高、半期ベースでは10年下半期の1,634億8,684万ドルに次いで史上2番目となった。日中の貿易収支は、東日本大震災の影響で輸出の伸びが鈍化し、日本側の67億4,568万ドルの赤字(同比4.3倍増)となった。
輸出は、中国内需拡大に加え、中国から日米欧向けの輸出が増加し、中国での完成品生産に必要な設備機械・部品・原材料が増加した。震災後、自動車関連や非鉄金属が減少し伸び率は同比で大きく低下したが、輸出額は上半期ベースで過去最高を記録した。
輸入は、スマートフォンの需要拡大による通信機の増加や食料品の増加に加えて、震災後、節電対応や防災用品の需要拡大を受け、扇風機、発電機、電池などが急増し、輸入額は半期ベースで過去最高を記録した。
日本の貿易総額に占める対中貿易のシェアは前年同期比0.5ポイント上昇の20.6%と過去最高を記録した。
11年通年の見通しとしては、引き続き中国経済が高成長し、震災の影響で減少した輸出品も生産設備の復旧により秋口以降回復すると予想されるため、11年の対中貿易総額は過去最高を更新するとみられる。一方、日中の貿易収支は震災の影響による伸び率低下を受け、05年以来6年ぶりに赤字額が増加する見込み。
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