2006年3月末までに合併した市町村など地方自治体がまちづくりなどを目的に発行できる合併特例債の発行期限が延長される可能性が高まってきた。従来は被災地を対象に5年間延長の特例法案を提出する予定だったが、現在、国会で被災地以外の合併自治体における適用も検討されており、秋の臨時国会での判断に委ねられている。
これは政府が3月11日に発生した東日本大震災・被災地の復旧・復興を優先していることが背景にある。一方、合併特例債は、市町村合併後10年間で使用しなければならないルールがあるため、全国の該当する自治体で"駆け込み利用"とも言える強引な利用が一部で問題となっていた。
福岡では05年2月に北野町、三潴町、田主丸町、城島町の4町と合併した久留米市が、この合併特例債などを利用し、久留米井筒屋跡地と隣接する六角堂広場にホールやコンベンション、商業施設を備えた「(仮称)市総合都市プラザ」を新設する計画を発表。
合併から10年後の15年2月までに発行枠残210億円を使用する計画であるが、開設して8年足らずの六角堂広場を壊して更地にする内容が含まれていたことで市民が猛反発。計画が行政側の主導で一方的に行なわれているとして、市民の間で「計画の見直し」「白紙」などを唱える反対派と「町の活性化につながる」という賛成派に分かれるという状況になっていた。久留米市の担当者は「(合併特例債の延期の可能性について)総務省から何も指示がないため、現状では何も答えることができない。ただし、市にとっては同計画が実現しなかった場合のデメリットが多いと思う」とのコメントをしている。
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