柳川市の金子健次市長が2009年4月の選挙で掲げたマニフェストについて、達成度を検証する会が25日夜、柳川市総合保健福祉センター水の郷で開かれた。主催は、柳川青年会議所(立花千月香理事長)で、柳川高校の3年生6人がマニフェストについて市長に直接質問し、市長が答える形式で行なわれた。
青年会議所は7月、2万1,000世帯に対してマニフェストに対するアンケート(新聞折り込み)を実施した。ホームページも含め53人からの回答があった。それによれば、「マニフェスト選挙やその検証は必要」との回答が8割を占め、一方、「マニフェストの市民への周知が徹底していない」という回答も8割に達している。そして検証の結果は、「これからの市政運営に生かしていくべきである」という回答であった。53人による金子市長のマニフェスト達成度は、平均で52, 8点となっている。
検証会では6人の高校生が「すぐに行なう重要施策」「4年間で行なう重要施策」「柳川の産業を活性化させるための政策」など、8項目にわたって質問を行ない、さらに会場からの3項目の質問に対して金子市長が答えた。高校生からは「事業評価委員会の委員の選出基準はどうなっているのか」「市民の認知度が低い」という質問が出され、金子市長は「地域や男女、年齢のバランスや各種団体から選んでいる。市のホームページで公開している。夜間に開いているので、市民の方も傍聴に来てもらったらうれしい」と答えた。
また、「浚渫ヘドロの再利用システムの確立にどれくらいの期間を要するのか」「1千万円の予算では何もできないのではないか」という厳しい質問も出された。市長からは「この問題が一番頭を抱えている問題だ。現状では再生システムの開発研究の調査という段階。公共事業への再利用ができないか国の考えも見ながら検討していきたい」と答えた。さらに「柳川ツーリズム特区の推進」や「かわの駅・まちの駅整備」などの活性化事業についても「中身が充実していないし、市民や関係者への周知などが不徹底である」との手厳しい質問が相次いだ。
検証会は最後に、パネラーを務めた6人の高校生から市長マニフェストの現状評価に点数がつけられた。結果は76,6点(平均)であった。金子市長は「期待感が込められた数字だと思う。きょう質問があった項目を含め、残りの期間で達成に全力投球していきたい」と述べた。
この検証会は、青年会議所が夏前から準備を進めてきたもので、その苦労には市民のひとりとして感謝したい。ただし、当日の参加者は100名を少し超えた数。また、事前アンケートの回収においても53名という厳しいもので、市政に対する柳川市民の関心のなさが浮き彫りになった。行政側には、マニフェストのあり方について考え直す必要があることも示唆した検証会であった。
【柳川通信員】
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