九電メモの作成者である九州電力・大坪潔晴佐賀支社長がメモの内容についての説明を続け、「知事からやらせメールを指示されたことも、九電から直接意見を出すようにと指示されたこともなかった」と述べた。説明終了後、委員から「それだけね。まだあるんじゃない。云々」との声に対して、「それは質疑のなかで答えようと思っていました」との回答に委員はさらに怒りの声をあげた。
<知事からの指示はなかった>
大坪潔晴参考人「次に(2)についてでございます。(2)についての部分の知事発言は、すでに知事のほうからご説明があったとおりでございますけれども、私どももおおむねそのようなことが知事のほうからご発言があったというふうに認識をいたしております。当社のお話を聞いたときの受け取り方でございますけれども、県内にある各界各層の多種多様な意見をできるだけ多く届けてほしいというお考えは、この場ではじめて聞いたわけではなく、かねてより知事がおっしゃっていた、いわば、持論をおっしゃっている。ここでもその考えを話されているんだなというふうに聞いておりました。
私は当時の佐賀支店で仕事をしておりましたので、知事のお考えについては、ほかでも直接、間接にお伺いをしていましたので、そのように受け取りましたし、そのように考えをいたしました。そして、多種多様な意見をこのような機会を使って寄せてほしいと。そのためには、番組開催アクセス方法などについて、皆さんに広く知ってほしいのだと。(県)もお知らせするけれども、皆さん方(九電)も知らない人にはお知らせをしてほしい。そういうことで県民の皆さん、より多くの方が興味を持ってこの説明会をみていただければいいというお気持ちを伝えているんだなというふうに理解をいたしました。
これが、知事発言要旨のなかのお願いといえばお願いという部分かなというふうに思っておりますけれども。知事からの説明にもございましたように、とくに当社に言われたというよりは、広く番組広報全体についての気持ちを述べられたということであって、そこは、はっきりとそのように書くべきだったというふうに反省をしております。
知事の発言の要旨の部分につきましても、県内にある特化したような意見とか、あるいは、「県内経済界にある」というような部分をはしょってメモをつくっておるものですから、メモの表現からしますと相当簡略化してしまったなというふうに反省をいたしておるところでございます。段上、諸岡、両名も説明会に多くの人が興味を持ってもらい、たくさんの方に主張してもらいたいというように知事のお話しを受け取っておりまして、特段、当社から直接意見を出せというようなご指示をいただいたとの認識はございませんでした。
したがって、2人の原子力(発電本部の管理者)への指示も番組の周知をするようにということでございました。それがそのように受け取ったということの(証明)でもあろうかというふうに思っております。6月下旬の時点では、我々3人、1日も早く玄海原子力2号機3号機の運転再開がかなうような環境をつくりたいという気持ちが強くなっておりましたので、知事発言を正確に書くというよりは、自分自身の思いをこめてメモを作成したという部分があって、知事が発言した、あるいは使われた表現、言い回し、単語というものから離れたメモになったという風に今となっては反省をしておりまして、たいへん、皆さん方にはご迷惑をかける結果になってしまったという反省をしております。
以上、要するに、知事のほうから議会に対する介入という意味での依頼や示唆、あるいは、いわゆるやらせメールの指示はもちろんでございますけれども、九州電力が直接意見を出すようにといった指示、依頼がなされたことの2点については、明確に『ございませんでした』というふうに否定をさせていただきます。
ただし、先ほどから申し上げますように、作成したメモ、文言が非常に簡略化したもので、不正確なものであったということが、まず第一にございまして、それを3人の間で共有している間はよかったんでしょうけれども、ほかにそのメモが出てしまったという結果からいたしますと、社内外に誤って伝えられることになったということでメモの文書管理という意味では、マネジメントという面から重大な問題があったというふうに反省いたしております。
この点についても重ねてお詫びをするところでございます。そういったことから、私たちとしては、知事発言が、いわゆる『やらせメール問題』の引き金になったということはなくて、伝達過程で誤って伝えた当社に責任があるというふうに考えております。なお、議会のほうからご要請いただいておりました当日の当社側の発言につきましては、その概要を本日提出をいたしておりますので、そちらをご参考にしていただければというふうに思います。私のほうからの説明は以上で終わらせていただきます」
宮崎泰茂委員「それだけね。まだあるんじゃない。まだあるんじゃない」
桃崎峰人副委員長「ありがとうございました。以上で、段上参考人、大坪参考人からの意見通知は終わりました。次に、ただいまの(大坪氏の発言)に対し質疑を行ないます」
宮崎泰茂委員「委員長、議事進行発言。委員長、議事進行発言。議事進行」
桃崎峰人副委員長「宮崎委員」
宮崎泰茂委員「あのですね。今、大坪支社長さんから、いろいろ知事に関するメモの説明がありましたが、我々がですね、この前の特別委員会でいただいた資料のなかには、まだまだ重要なくだりがあるんですね。たとえばね、6月26日の委員会では佐賀商工会議所の島内専務理事が出席するとか、長崎大学の放射線医の教授が同席をするとかね、そういう具体的な会話がされとる。そういうことについて、ひとつも報告されてないじゃないですか。どうなんですか」
桃崎峰人副委員長「大坪参考人」
大坪潔晴参考人「はい。そのあたりにつきましては、質疑のなかでご質問いただいてお答えしようかなと思っておりましたので」
宮崎泰茂委員「委員長」
桃崎峰人副委員長「宮崎委員」
宮崎泰茂委員「質疑がなかったら答弁をしないとかね、そういうことじゃないでしょう」
傍聴席「そうだ」
宮崎泰茂委員「やっぱり、あなたたちがね、作成して我々に出された資料でしょう。だとするなら、あなた方の口から責任を持ってきちっとしていただきたいと思うんですよ。今の大坪支社長の意見は、質問があればそのなかで回答をしたいということですけど、裏を返せば、質問が出なかったら回答をしないということでしょう。そういうことがみえみえじゃないですか。そんなことで真実が解明されますか。そうじゃないでしょう」
桃崎峰人副委員長「大坪参考人」
大坪潔晴参考人「私のほうで説明できる部分については、それでは説明をさせていただきます。決して、質問がなければ隠そうとかそういうことではございませんので」
宮崎泰茂委員「そんなら最初から言いなさいよ」
大坪潔晴参考人「質疑の進め方について、必要と思われる範囲で、まず説明をさせていただいたということで、それで不十分というご指摘をいただきましたので、私どもで用意しておりましたものについて重ねて説明をさせていただいてよろしゅうございますか」
宮崎泰茂委員「委員長、委員長、委員長、委員長、議事進行」
宮崎泰茂委員「だからね、委員長のほうで、このメモに対する解釈についてさ、きちっと整理をして、そして、九電のほうからそれに基づいてね、報告を受けるようにね、委員長のほうで采配を付してやっていただきたいということなんですよ。お願いします」
【吉澤 英朗、山下 康太】
※括弧内はNET-IB編集部の補足です。
※記事へのご意見はこちら