九州電力・大坪潔晴佐賀支社長の追加説明終了後、休憩をはさんで、自民党県議団の土井敏行委員の質疑がはじまった。以下、土井委員の質疑の内容を、これまでの大坪佐賀支社長による説明と重複していない部分について掲載する。
<知事の発言そのものということでまとめていない>
土井敏行委員「IAEAの対応についてという(部分)がございました。メモではですね。『説得工作すべし』進言をしたということになっているわけですね。知事は『国際機関のお墨付きがあれば国民の不安が和らぐと国に話したことがある』というふうに説明をされたんです。この差なんですよ。具体的に知事の(話)に対して皆さんはどういう受け答えをされたんでしょうか」
桃崎峰人副委員長「大坪参考人」
大坪潔晴参考人「受け答えというのは、特段、3人ともしていなくて、知事のお話を承っていただけということであったかと思います」
桃崎峰人副委員長「土井敏行君」
土井敏行委員「知事の(話)を承っていただけということなのかもしれませんが、ならば、なぜ知事の言ったニュアンスに対してこういう表現を使われたのかということをもう一度確認し、ご説明をお願いします」
桃崎峰人副委員長「大坪参考人」
大坪潔晴参考人「知事の発言されたお言葉そのものを記憶していなかったということが第一なんですけれども、お話の趣旨として、メモを作るときに私が強く思い出したのは、やはりIAEAのお墨付きというのはひとつの事例であるんですけれども、国民向けの安心材料というものを信頼を失った保安院というものが一生懸命考えて、説明の内容の部分もそうなんですけれども、材料を提供してくるのが国の役割ではないかというような知事のもどかしい思いというものを強く感じた次第でございます。そういうことで、少し私が思い出してメモを作成するときに、『説得工作』とか『進言』とか、そういう強い表現で自分の言葉であったということでありますけれども、そのようなメモの作りかたをしたということでございます」
桃崎峰人副委員長「土井敏行君」
土井敏行委員「かなり知事の言ったこととですね、これは知事が主導してやったようなこの文章を見たらするわけですけれども、そのことについて同席しておられた段上参考人は、これに対しておかしいと思われませんでしたか」
桃崎峰人副委員長「段上参考人」
段上守参考人「IAEAということにつきましては、たとえば、柏崎の地震のときのお話がありますように、IAEAの調査団が入って、そして、その結果を取りまとめたということで、非常に柏崎の市民の対応だとかに対してかなりお墨付きがあったことは事実でございます。そういうことをおっしゃっているのかなという感じはしてたんですけれども、ここまで強い口調で言われたというふうには思っておりません」
桃崎峰人副委員長「土井敏行君」
土井敏行委員「それを(みた)時点では、メモが広く九電の社内に出回るという想定はされていなかったんですか」
桃崎峰人副委員長「段上参考人」
段上守参考人「おっしゃるとおりで、これは私と(諸岡、大坪の間での理解)というかたちで作成させたというものでございます」
土井敏行委員「もうひとつ別の質問にいきますが、『国主催の県民向け説明会について』というくだりがございます。『出演者には商工会議所の島内専務を予定している』というふうに具体的にメモでは名前が出ております。知事はですね、たしかにその前日の6月20日の県議会の一般質問で具体的な内容といいますか、予定については答弁をしておられます。ただし、そのときもですね、商工会議所の島内専務の名前は出てきてはいない。国の事務的な協議のなかで出てきたことをしゃべったと非を認めておられます。しゃべりすぎたというふうなことでありますが。知事はたしかに島内専務を予定しているというような言い方をされたんですか」
桃崎峰人副委員長「大坪参考人」
大坪潔晴参考人「説明のなかで申し上げましたように、知事の発言そのものということでまとめていない、結果的にそういうメモになりましたので、これは島内専務を予定されていると、あるいは、国のほうで考えられていると、あるいは、要請を受けた商工会議所の検討で島内専務が候補にあがっているというようないろいろな意味合いで言葉があったと思いますけれども、はっきりですね、知事が主語で『自分が予定している』という話ではなかったというふうに記憶しております」
土井敏行委員「それと同じようにですね、放射線医学の専門化にも同席してもらうと言っておられるということですね。実際そうなったわけですけれども、こういうことを考えていくと、なんとなく知事が主導しているような印象を受けるんですけれども、そういうことはお感じになられませんでしたか。いかがですか」
桃崎峰人副委員長「大坪参考人」
大坪潔晴参考人「知事が自分の希望として、こういう構成になったらいいとか、こういう人選で説明の陣容が決まったらいいということになったのか、それとも、事務方の中間報告であがってきた国と県事務当局との折衝過程であがってきたものなのか、その時点ではわかりませんでした」
【吉澤 英朗】
※括弧内はNET-IB編集部の補足です。
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