国内主要都市に支店を所有するある大手企業は、今年の福島支店への人事異動に頭を悩ませている。その理由は言わずもがな、東京電力・福島第一原発の事故が発生したからだ。
この企業にとって、人材の流動化は社内活性化や業者との癒着を断ち切るため必須であった。例年であれば、福島支店への異動を希望する者が確実にいたようであるが、今年はいない。人事部として、今の段階で福島へ異動命令を出すことの判断は難しい。
しかしながら、この企業にとって重要な拠点のひとつである福島支店を閉鎖する訳にもいかない。苦悩の末、人事担当者は異動候補リストを作成した。候補に挙がったのは、20代の独身男性と50代の独身男性であったという。
【新田 祐介】
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