ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

脱原発・新エネルギー

原発安全神話の崩壊で自然発生した『やらせ現象』(後)
脱原発・新エネルギー
2011年9月14日 07:00

 東日本大震災が発生した3月11日から半年が過ぎようとしている9月10日、鉢呂吉雄氏が福島視察における「死のまち」などの言動で経済産業大臣の職を辞した。いまだ福島第一原発事故が終息をみないなか、原発を所管する経済産業省のトップが9日も経たずして代わる。我々国民の失意も大きいが、同原発事故へ世界が注目しているなかでの鉢呂氏の失態は、日本の政治に対する国際的信用をも損なわしめた。

玄海原子力発電所 一方、古川康佐賀県知事は、九電メモの内容について「真意ではない」などと一貫して否定するものの、九電幹部と会談した際に、原発の話を持ち出したことは軽率であったと反省している。しかし、たとえ本意でないにしろ、そうとも受け取られる内容の話をして誤解を招き、結果的に情報操作(やらせ)が発生したのならば、十分に責任はある。鉢呂氏と同様、自覚がないのかもしれないが、公人である大臣や知事の発言は非常に重いものである。しかも今、原発問題は「そういうつもりじゃない」では済ませられないほど深刻なものとなっている。

 佐賀県を取材した際に耳にした地元有権者の言葉は、原発立地自治体の現実を如実に言い表していた。「九電のおかげで今の佐賀がある。古川知事は『今後、距離を置く』というけれども、到底できるとは思えない」と。地域社会のなかでめぐっている「原発マネー」という"血"を、代わりもないまま一気に抜くことは現実的ではないという見方だ。

 すでに調査報道サイト「HUNTER」が次々と明らかにしているように、古川知事や県議会議員など佐賀県の政界にも原発マネーはめぐっている。この、電力会社を実行部隊とする統治システムを真に問題ととらえ、脱却を図らなければ、『やらせ』や『情報隠蔽』のような"現象"は今後の原子力行政において、たとえ人が代わっても断続的に発生する。ある意味、それも「原発リスク」と言えるのではないだろうか。

(了)

【山下 康太】

≪ (前) 

*記事へのご意見はこちら


※記事へのご意見はこちら

脱原発・新エネルギー一覧
脱原発・新エネルギー
2012年12月 7日 16:00
脱原発・新エネルギー
2012年10月31日 16:30
コダマの核心
2012年10月30日 11:00
脱原発・新エネルギー
2012年10月 9日 11:23
脱原発・新エネルギー
2012年9月27日 10:04
脱原発・新エネルギー
2012年9月27日 07:00
クローズアップ
2012年9月26日 12:00
脱原発・新エネルギー
2012年9月25日 17:23
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル