10月20日(木)に行なわれる特別講演会「古賀茂明氏が語る日本再創造~許すな!官僚独裁体制国家~」に対し、福岡県のみならず全国各地から予想を超えた聴講申込が相次いでいる。そこで同講演会に参加する福岡の有識者に、「なぜ今、古賀氏の講演が求められているのか?」についての所見を求めた。
今回は、元福岡市職員である福岡市議会議員の寺島浩幸氏が、「改革を行なうためには有権者の方々に古賀氏の講演を聞いてもらわなければならない」と思う理由について語る。
古賀茂明さんとは、今回初めてお会いしました。意外に淡々とされていましたが、やはり1本芯が通っている印象を受けました。私も福岡市職員時代、省益を優先させる組織擁護の論理を市役所で感じていました。そういう意味では、市役所も「ミニ霞が関」というところがあります。そのなかで市職員は、昔は志を持っていても、いつしかそれが後退して、組織の損得・利害が全面に出るようになってしまうのです。
福岡市には官と民が出資する第3セクター企業が36団体あります。これは政令市で4番目に多い数です。それは「市職員たちの天下り先」というところもあります。そして、そこを守るために必死になっています。
私が市職員時代に担当した全国初の協定方式による第3セクター情報公開制度についても、「このような制度がありますから、市民のみなさん、活用してください」というような宣伝をしません。しかし、こちらからお願いしたわけではないのですが、2002年に東京で開かれた情報公開法1周年のシンポジウムにおいて、当時、内閣府情報公開審査会委員であった藤原静雄 筑波大学教授が「日本一の情報公開条例である」と紹介してくれているのです。そのような条例がありながら、その存在を知らしめることをしないのです。
ただし、霞が関と比べると、福岡市役所は市民に近く、官僚のように市民を一切無視し、超然として自分勝手なことを展開できません。そうすると市民の批判を受けます。また、市長が変わると空気も変わります。一方、霞が関の官僚は、首相や大臣が代わっても全然関係ないように感じます。行政の健全性とは、有権者に近いほうが保てるのです。やはり、公務員制度改革にしても政治改革にしても、『有権者の力が大事』ということが最終的な到達点だと思います。
有権者が力を発揮するには、まず目覚めなければいけません。目覚めるためには知ること、すなわち『情報公開』が大事なのです。まず、知ってもらい、気づいてもらい、行動してもらう。改革の起点は『知ること』であり、知るためには情報を出す存在が必要です。その貴重な存在が古賀茂明さんなのです。
おそらく古賀さんは、その起点となるために情報発信をしているわけで、私もまったく同じ気持ちで情報公開制度に取り組んできました。それでも内から変えられないから外に出て、市民に向けて情報発信をやろうと思ったのです。そこから改革が始まっていくと。改革というのは、役所や政治家だけでなく、有権者がその改革に当事者として入らないと本物にはなりません。
今から『本物の改革』が始まる――。その幕があがろうとしています。だから、ぜひとも、古賀さんの講演を聞いてもらい、いかに公務員が、有権者からかけ離れ、自分たちの利益を追求しているのかを知ってもらいたい。そして、「これじゃいかん!」と、気づいていただきたいと思います。
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