今年開業した福岡市の某飲食店が食中毒事故を起こした。幸いにも発症した顧客は全員回復し市からの営業停止処分は1日に止まった。
同店舗は、ツイッターを開設しており、頻繁に更新している。そこでは、顧客とのふれあいの喜びや巧みな宣伝文句が呟かれている。ただし、営業停止になった日を含めて食中毒に関する話題はまったくなかった。事故後の対応を確認したところ、再発防止の対策を講じた一方で事故の情報を出さないようにしているという。
消費者としては積極的な情報公開をして貰いたいが、ある飲食店経営者は「食中毒には焼き肉えびすのように起こるべくしておこるものと、注意していてもわずかの隙により発生してしまうものがある。情報を公開するかどうかは店側の判断。再発防止策が重要になる」という見解を示す。
かつて食中毒事故を起こした店舗のなかには事故後に顧客が増加したケースがあるという。足が遠のいていた顧客が心配して訪れるようになったのがその理由だ。同店では焼き肉えびすの事件を受け人気メニューでもリスクの高いものは出さないようにしたという。顧客はそうした取り組みを感じ取っていたことになる。
食中毒の発生はあってはならないことだが、情報公開を含めたその後の対応や顧客の反応で飲食店の真価が問われることになる。
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