16日、有限責任事業組合「福岡都市成長戦略プロジェクト」が主催するFUKUOKA改革の夜会に参加した。内容は、一般参加の福岡市民80人によって、福岡市の強みと弱みが語られ、福岡市の将来がどうあるべきかを考えるきっかけをつくろうというものだが、2時間にわたる熱い議論では、「アジアの玄関口」を標榜する福岡市をひややかな目で見る市民が多いことがわかった。
主催する「福岡都市成長戦略プロジェクト」は、九州大学大学院教授の星野裕志氏、坂口光一氏、九州大学国際法務室副室長の岡田昌治氏、立命館アジア太平洋大学教授の横山研治氏の4人が中心となり、2年前に発足したプロジェクト。福岡市を世界に通用する都市にするにはどうすればよいかを議論しあうもので、今回の夜会は、多方面から福岡市をウォッチしている4人がパネリストとなり、彼らを前に、参加した一般市民80人が入れ替わり立ち代り、自らの意見を述べていくという方式で行なわれた。
プロジェクトチームの見解では、福岡市の強みは、「ワークライフバランスが重視されている」「質の高い生活ができる」「食文化の質の高さ」「都市と自然」「本物に出会える」「フレンドリーな気質」などがあげられた一方、弱みとしては、「アジアのゲートウェイとして足り得ていない」「スピード感が欠如している」「アジアとの近接性が活用されていない」「ビジネスの取り込みに弱い」「人口減少に伴う市場縮小が不可避」などがあげられている。
それに対し、一般参加者からは、「福岡人はのんびりしていて、アグレッシブさが足りない」「上を目指そうという意識が低い」「何でもそこそこで満足している」など、福岡市民の意識改革を指摘する意見が目立った一方、女性からは、「未婚の女性が多いわりには、女性の活躍する場が少ない」「女性管理職の数が圧倒的に少なく、女性の地位が低い」など、九州の独特な「男尊女卑」的な社会に不満を持っている意見が聞かれた。
【杉本 尚丈】
| (後) ≫
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら