次期総選挙を目指す新人陣営の公認争いが、仁義なき戦いの様相を呈している。
福岡10区では、前回の総選挙で敗れた「ミカン箱」の西川京子氏が弾き飛ばされ、福岡11区・山本幸三衆議院議員のお国替えが決定。
自民・福岡県連の方針に激怒した西川氏は徹底抗戦の構えで、先日行なわれた自民党の政治資金パーティに乗り込み、自身の地位をアピールした。
福岡4区はさらに複雑で、同党前職の元政策秘書に加え、元社会党国会議員の子息で病院長である人物が名乗りを上げたとたん、現職県議2人と元職の県議まで手を挙げてしまった。ここに来て注目されているのは元政策秘書M氏に出されたという「推薦状」の存在だ。
自民前職である渡辺具能氏の政策秘書を務めていたM氏は、糟屋郡内にある7つの町の町長から「推薦状」を得ていたとされる。「推薦状」は1枚。7人の連名でM元秘書を衆院4区の候補者として推薦した内容だという。
ところが、関係者の一部から「あれ(推薦状)は白紙になっている」との指摘があり、NET-IB取材班が調べたところ、胡散臭い話であることが明らかとなってきた。
<「白紙」明言する町長>
推薦人として署名したとされるある町長は、次のように話す。
「白紙撤回の事実は知っている。(地元の)Y県議、渡辺前代議士に『話を通していること』を前提に推薦状を作成したが、実際には話が通じておらず白紙撤回となった。この点についてはM元秘書本人に『筋を通すように』と、伝えた。推薦状が県連会長に渡っているかどうかは知らないが南里(辰己)志免町長が知っている」
つまり、M元秘書の拠りどころとなっている糟屋郡内7町長の「推薦状」について、白紙であるとの認識なのだ。
次に取材班は、「推薦状」を取りまとめたとされる南里辰己志免町長の話を聞いたが、県町村会の会長とも思えぬ無責任な回答が返ってきた。
【特別取材班】
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