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「疑惑の推薦状」 福岡4区の仁義なき戦い(3)
政治
2011年10月 3日 07:00

 渡辺具能前衆議院議員の元秘書M氏が手に入れた糟屋郡7町長連名の「推薦状」は、不可解極まりないものになってきた。
 推薦状を取りまとめたとされる南里辰巳・志免町長(福岡県町村会々長)は、「公認候補予定者への推薦で、衆議4区の支部長に推薦したものではない」と言う。

 自民党の選挙対策本部に確認したところ、「候補予定者が支部長となって政治活動を行ない、選挙に際して手続きを得て『公認』を得るのが正式な流れ」と明言。さらに、この流れは同党規約の準則で定められているという。

 南里町長は取材に対し、支部長への推薦ではない理由として「我々町長が、自民党内に口を出すわけにはいかない」と答えている。もっともらしい言い分だが、自民党においての候補予定者が「支部長」である以上、同党の規則を無視する行為は、過度の干渉とされてもおかしくない。

 さらに不可解なのは、「慎重に取り扱うように申し入れた」(南里志免町長)という推薦状が、なぜ関係者の間で物議をかもしているのかということである。関係者によると、同推薦状は、自民党福岡県連会長の武田良太衆議院議員の手に渡ったとも言われている。
その件に関して南里町長は、推薦状を持っているM氏本人しか分からない、として関与を否定。他の町長も、武田氏に渡ったかどうかについては、「聞いたことはあるが真相は知らない」と、言葉を濁す。

 M氏が胸を張って、自民党公認を目指すのであれば、前職であり、自分が仕えた渡辺氏はもちろん、地元のY県議に話をつけておくことが常識的な流れである。それを省いた結果、Y県議は9月に入り4区支部長すなわち衆議院福岡4区の候補予定者に名乗りをあげ、糟屋郡7町長が推すM氏も同じ選挙区の候補予定者を目指すという混乱の構図ができあがってしまった。

 ところが、問題の推薦状に連名で署名した他の町長からは、いわゆる自民党のルールについて、まったく認識不足であったと思われる話が出はじめた。

(つづく)

【山下 康太】

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