ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

企業経営戦略講座

青木道生の企業経営戦略講座2-1 : 銀行格付の仕組みと必要性 ~毎週水曜更新~
企業経営戦略講座
2011年10月 5日 07:00

青木氏の実績と評価は非常に高く、多くの支持を集めている。 支援結果はこちら→

profile.jpg

entry_title_vol.2.jpg
 金融機関から融資を受けたならば、基本的に借手(債務者)側は、「格付」され、「区分」を付けられている。格付を行なう基準は、金融機関により異なり、10,000千円以上の融資で格付を行う金融機関もあれば、50,000千円以上の融資で格付を行なう金融機関もある。また、すべての与信先(融資先)に格付を付与する金融機関もあれば、担保により保全(カバー)されている金額や割合により、格付の付与を行なう金融機関もある。

 「格付」は法律行為ではないため、その基準が金融機関により異なる。したがって、AやB、Cといったアルファベットで格付を付与する金融機関もあれば、1や2、3といった数字、またはアルファベットと数字の組み合わせにより、格付を付与する金融機関もある。貴社に対して、金融機関が格付を付与しているものと想定すると、「格付」や「債務者区分」は、下記の通りとなる。

2-1table.jpg
         <↑ ↑ 画像をクリックすると拡大します。 ↑ ↑>

銀行との信頼構築はこちら

 金融機関により、「正常先」という債務者区分に4つの格付が存在したり、または6つの格付が存在することもある。ここでは、「正常先」では標準的な5つの格付値を示し、またすべての格付値を11の値で表示し、各々の定義を記載した。

 ここで、自社の格付または債務者区分の値を、ザックリと算出してみる。下記はあくまで一般論であり、統一的な見解ではないので、参考までに留めて頂きたい。

P/L(損益計算書)上の当期純利益が正(プラス)であり、B/S(貸借対照表)の純資産の部に、繰越欠損や債務超過等の一切の棄損を内包していなければ、基本的には、「正常先」と判断できる。

 P/L上の当期純利益が負(マイナス)の値であったり、B/S上の純資産の部に、繰越欠損を内包している場合、「要注意先」と判断されるケースが多い。「要注意先」のなかでも、「要管理先」はある意味、別ポストのようなニュアンスであり、「条件緩和債権」(借入金の条件変更)を行なっている場合は、基本的には「要管理先」として位置付けされる(金融円滑化法の成立により、現在は一概に判断出来ないケースも多見されるが、ここでの詳論を省く)。

銀行との信頼構築はこちら

 B/S上の純資産の部に、債務超過を内包している場合、原則論として、「破綻懸念先」として位置付けされる。債務超過の解消の目処が、明確な計画として金融機関に提出された場合等は、「要注意先」として格付されるケースもある。解消見込みの無い、大幅な債務超過である場合や、かつ資金的にも枯渇し、破綻が目前である場合は、「実質破綻先」とされるケースもある。

 追加融資が出る可能性があるのは、原則論として「要注意先」までである。次回からの執筆により、格付や債務者区分が、どのようにすれば上位遷移する可能性があるのかを、銀行員の財務分析ポイントを鑑みながら、掲載していく。

blog_banner.jpg


※記事へのご意見はこちら

企業経営戦略講座一覧
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル