暦も10月に入り、あと２カ月で高島市長が就任して１年になる。そうなると、市長公約の進捗状況など、高島市政の１年目を総括しなければならない。

　「こども病院の移転問題の検証」や、「給食のパンの持ち帰り禁止の見直し」など、一部にすでに結果が出た公約もあるが、高島市長が市長選挙で約束した公約のうち、まだ結果がでていない主なものは、筆者が把握している限りでは次のとおりある。

（１）クルーズ船の船着き場の専用ターミナルを整備することで、港湾整備を進める。
（２）食文化と他の歴史や文化を活用し、食と観光のまち「ふくおか」にする。
（３）地場企業に対する貸付資金の利率引き下げ枠を拡充、契約発注時に地場企業を優遇させる総合評価制度を充実させ、地場産業を育成する。
（４）緊急雇用対策として、雇用の創出に務める。
（５）保育所待機児童と特養ホーム待機者の解消。
（６）国民健康保険料の軽減化。
（７）介護・虐待など困った時の相談機能を充実させる。
（８）行政のスリム化。様々な民営化をはじめ官民の役割分担を大胆に見直し、市職員を削減するなど、行政のスリム化を図る。
（９）徹底した情報公開・情報発信。
（10）アイランドシティの土地利用や売却については、誘致を促進する新たな手法を検討する。

　「市職員定数の２割削減」、「給食費の無料化」、「地下鉄の民営化」などは、いったん表明されたが、あとで撤回された項目だと記憶している。
　市長選挙までの期間で、表明したり、撤回したりの経緯があり、高島市長の公約がどうもわかりづらいので、ぜひ整理して、市のホームページで公開していただくことを要望する。

　市長公約は、市民との約束である。次の選挙での審判を受ける際の重要な通信簿になるので、高島市長、ぜひよろしくお願いしたい。

　さて、この１０項目をざっと眺めてみて、読者の皆さんの評価はいかがであろうか。

　（５）の「保育所待機児童の解消」や、（６）の「国民健康保険料の軽減化」については着手したといえよう。

　ただし、国民健康保険料の軽減化については、一般会計からの繰入額を増やす方法により実施したため、政府管掌健康保険など社会保険料を払っている人たちの負担を増やしたことになり、その公平性からの疑問を提示する意見もある。福岡市国民健康保険運営協議会の尾形裕也前会長は辞任してしまわれた。

　（10）の「アイランドシティの土地利用や売却については、誘致を促進する新たな手法を検討する」については、アイランドシティの土地がなかなか売れないので、借地方式が検討されているようだが、借地方式だと市には固定資産税が入ってこない。市の収入面からすれば、多少安くても民間に売却すれば、毎年固定資産税が入ってくるので、長い目でみれば、多少の損失も取り戻せるのではないかと思うがどうだろうか。

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