博多港は言うまでもなく重要な港である。荷揚げやストックヤードがより整ったことで、その重要性は増してきており、コンテナの取扱量は年々増加してきている。また、博多港は人流の拠点としても見落とせない。年間87万人を超える乗降人員数は日本一を誇る。そんな博多港を取り仕切る福岡市港湾局局長に今年7月、松本友行氏が就任した。その考え方、今後の施策を聞く。
<福岡市の重要拠点・博多港>
――今年7月、博多港の未来を担う港湾局長にご就任されました。まずは物、人の流れの拠点としての博多港の現状についておうかがいいたします。
松本 博多港は福岡市だけではなく、九州、西日本の重要な港としてより魅力のあるものにしていかなくてはならないと思っています。物流、人流の重要な拠点という認識は、高島市長もお持ちでいらっしゃいますし、私も同じ考えを持っています。
まず、物流の面からお話しさせていただきますと、コンテナの取扱量は2009年こそリーマン・ショックの影響で微減しましたが、基本的に順調に伸びていっています。昨年の取扱量およそ75万TEU(20フィートコンテナ換算。1TEUは20フィート―約6m―コンテナひとつ分の意)に対し、今年は少なくとも1割増し以上にはなろうかと予測しております。
――港湾機能の充実とアジアに近い地政学的な優位性があるのでしょうね。とくに現在は東南アジアからの家具輸入が好調と聞いています。
松本 そうですね。対アジアの重要な港として、より充実させていけたらと思います。アイランドシティに行っていただいたらわかると思いますが、荷役を行なっているコンテナヤードは非常に活気づいています。今後も需要に合わせた港の整備をしていきたいですね。
<大型クルーズ船も来航を予定>
――人流は、どのようになっているのですか。
松本 マリンメッセの北側の中央ふ頭には国際ターミナルがあり、そこを中心として人が外国と行き来しています。このターミナルを利用する外国航路の船舶からの乗降人員数は10年で約87.3万人おり、連続18年日本一を誇っています。ただ、今年は大震災、原発事故の影響からおよそ半分にまで人流が落ち込んでしまっています。
―― 一過的な風評によるものでしょう。九州には新幹線の全線開通という好材料が追加されましたから、ますます海外、とくに東アジアからの利用者が増加することも十分に考えられます。
松本 定期航路としてフェリー「ニューかめりあ」と高速船「ビートル」「コビー」が博多港と韓国釜山を往復しています。韓国と日本を結ぶ玄関として活用されており、その認知も十分に広がっていると感じられます。震災後、寄港を見合わせていた海外からのクルーズ船も、寄港再開しています。来年はさらに大きなクルーズ船「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」が寄港する予定となっています。
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