福岡市の観光資源でもある「屋台」のあり方を見直そうと、高島宗一郎市長がご熱心な姿勢を見せている。総務省から出向してきた若手エリート官僚を「屋台課長」として抜擢。市民の「屋台」に対する理解を深めようと、市HPに屋台課長のブログを設置し、情報発信をしていることは市民も知っていることだろう。しかしながら、そうした取り組みも現場職員の怠慢によって誤解を招くことがある。
NET-IB行政班に市民から不満の声が寄せられた。内容は、市職員による屋台への指導が明らかに不公平であるというもの。屋台の利用者であるその市民によると、営業時間の違反に関して、特定の屋台だけが指導を受けたという。
屋台の営業時間は、「福岡市屋台指導要綱」に定められており、道路上で営業する屋台に関しては午後6時から午前4時までとなっている。この制限には、準備時間も含まれており、つまり、屋台は午後6時になってから準備を開始しなければならない。ちなみに、数は少ないが、公園内で営業する屋台は午後4時からとなっている。
午後6時前、指導を受けた屋台およびその周辺を取材した。すると、指導を受けた屋台がとりあえずいつも営業している場所で待機している一方、すぐ近くにある他の屋台はすでに営業の準備を終え、なかには営業している店も見られたのである。なぜ、ひとつの屋台だけが指導を受けるのだろうか。
そこで、一連の経緯について、市役所および区役所を取材したところ、この不可解な現象の原因は、市職員の怠慢によるものであることがわかった。現場の実態を確認することなく、証拠をつかんでいない状態で違反と決めつけて指導を行なっていたのである。
【山下 康太】
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