18日、北九州市の北橋健治市長と下関市の中尾友昭市長は、海峡メッセ下関(下関市豊前田町)で会談。関門地域でクリーンエネルギーの電気自動車の普及を後押しするため、充電施設の整備・拡大に連携して取り組むことなどを話し合った。
両市では現在、電気自動車約60台(北九州市約50台、下関市約10台)が走っており、充電施設は約50カ所(北九州市約40カ所、下関市10カ所)に設置しているが、普及台数は他の先進都市に比べて少ない。
そのため充電施設を増やすことで電気自動車の普及を促進し、交流人口の拡大と二酸化炭素排出量の削減を図るとしている。
北橋市長は、「関門で連携して環境モデル地域となるよう頑張りたい」、中尾市長は「先進的な取り組みをしている北九州市との連携を強化していきたい」と、抱負を述べた。
また、両市を結ぶ関門海峡フェリーが11月末で運航休止となるため、関門地域の交通手段の拡大について今後協議していくことも決めた。
両市を結ぶ交通網は、海路は関門海峡フェリーの運航休止により、関門汽船が運航する人員輸送の下関(唐戸)~門司港間だけとなる。陸路では鉄道のJR、関門国道トンネル(車道と人道<無料>)と関門橋が市民の通行手段となっている。
<北九州・下関 両市長への提言>
関門国道トンネルは両市を結ぶ国道2号線である。有料道路として運用開始から50年以上経過しており、償還はすでに終えている。
両市の交流をなお一層促進するのであれば、電気自動車の普及だけでなく、償還の終えていない高速道路の無料化実験が行なわれている現在、両市民の生活道路である関門国道トンネルの無料化のため、両市長が先頭に立って旗を振ることこそ、関門地域活性化の第一歩と思われる。
(1)関門トンネルの歴史
・1937年に試掘導坑の掘削開始し39年に完了。本坑掘削に着工し44年12月に貫通したが、太平洋戦争による相次ぐ戦災で45年7月に工事を中断。その後52年に道路整備特別措置法による有料道路としての工事を再開し、58年3月9日に開通した。総工費は当時の金額で約57億円である。
・関門トンネルは、運用開始からすでに53年を経過している。昨年(2010年)12月にリニューアル工事を終えているが、今も有料道路である。現在の通行料金は、軽自動車100円、普通車・中型車150円、大型車250円となっており、両市交流の足枷となっているのが現状である。
(2)関門橋の通行料金(下関IC~門司港ICの高速道路料金が今年(11年)8月1日より値下げ)
・普通車は350円が250円に値下げされ、ETC車は200円となり、通勤割引(6時~9時と17時~20時)を利用すると150円となり、関門トンネルの普通車利用料金と同額になる。軽自動車も普通車と同じ料金。
・大型車は600円が350円に値下げされ、ETC車は250円となり、通勤割引(6時~9時と17時~20時)を利用すると200円。 ただし、今回の料金引き下げは期間限定で2014年3月31日までの運用となっている。
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