スイスの金融機関、クレディ・スイスが発表した「グローバル・ウェルス・レポート」によると、中国の富の総額が約20兆ドルとなり、前回の4位から、フランスを抜き、3位に浮上したことがわかった。
発表によると、富の総額の1位はアメリカ、2位は日本となっているが、中国がこのまま成長を続ければ、2016年には約2倍の39兆ドルとなり、世界第2位になると予測している。中国人1人あたりの平均資産は約2万1,000ドルで、この数字は10年前の3倍以上の伸びを示したことになる。
「グローバル・ウェルス・レポート」は世界200カ国以上の国と地域の「富」の分布を調査しており、中国では貧富の格差はあるものの、中流階層の数が膨大で、人口の3分の1程度が資産1万~10万ドルの範囲にいるとされている。また、100万ドルを超える資産を持っている富裕層の数が、今回初めて100万人を超えた。さらに、5,000万ドル以上の資産を持つ超富裕層の数も5,000人を超えて、アメリカに次いで、2番目に多い国となっている。
アジア地域は、世界の「富」の増加が著しいところとなっているようだ。2010年には世界の「富」の増加分の5割強をアジア太平洋地域が占めていて、新興国市場が世界の「富」の増加のけん引する形となっている。それに比べて、ヨーロッパは1人当たりの負債額がアジアよりも大幅に上回っている。このまま新興国の成長が続けば、向こう5年間で、「富」の増加が先進国を追い越す試算がされている。
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