福岡から上海に進出して珍しく成功している木材加工業者A社がある。このA社の社長が「上海では素材加工業はもう成立しない。人件費は高騰しており行政からは立ち退きを命じられている。もうベトナムに移転するしかない」と、話す。嘆いているわけではない。まず、日本国内でデフレが進み、受注単価が到底合わない。仕事を受けても真っ赤かだからしないほうがまし。中国国内はインフレで人件費が急上昇したうえに人員確保、労働問題とリスクが高まっている。
中国内では仕事はたくさんあるが、ロットが桁違いに多くて受けきれない。A社社長は「いまさら設備投資してまでやるビジネスではない」と、判断。そこで思いついた戦略は「家主になること」である。旧工場に生産を集約する。4分の1に縮小することになるが、「これが賢明」と、自己納得している。本工場は年間5,000万円で貸与することを検討しているとか。中国で5,000万円の家賃収入があればウハウハだ。
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