2011年4月10日、福岡市議会選挙が行なわれ、第70代福岡市議会議長に森英鷹氏が就任した。市議会議長としての務めや昨今問題となっている入札制度、さらには議員の海外視察の是非など、さまざまなテーマについて話を聞いた。
<議員総数と区分け>
―福岡市は人口の変動によって選挙区の定員数を変更していますが、市議会議員の総定数を修正することに関しては、どのような考えをお持ちですか。
森 この件については、福岡市の今後の総合計画に関係してきます。というのも、「どこが適正人口であるのか」という話になったときに、あまり多すぎても少なすぎてもいけません。福岡市の人口は現在148万人ですが、とくに一番の問題は東区です。東区はアイランドシティをつくったため、人口は30万人を超えようとしています。何が問題になるかというと、30万人を超えると「分区」の目安になってしまうわけですが、東区において分区というのは非常に難しいのです。
―どこを中心に分区をするのか、という問題があるわけですね。
森 中心を考えますと、香椎の参道くらいになります。しかし、香椎の参道で「東区」とそして「北区」というように分けることは難しいのです。そのため、私はある意味では区の再編を考える方が現実味があるのではないか、と思っております。しかし、まだそういった議論にまでは至っておりません。
―近隣の市町村で、「福岡市に吸収してほしい」というようなところの話はないのでしょうか。
森 もともと新宮町は、新宮町長選などでそのことが話題になったことがあります。個人的には、新宮町は福岡市にとって合併してもいい地域というような気はしています。しかし、30万人が33万人になったとしても、やはり分区するというのは難しいです。
―東区の議員としてお聞きしますが、九州大学・箱崎キャンパスの移転後の跡地をどのように計画するのかは、東区の都市づくりや流れを変えてしまうのではないでしょうか。
森 東区の議員としての立場からすれば、アイランドシティと九大跡地に関しては、「今後どのように活かしていくのか」ということが大きな問題になってきます。もちろんこれは、福岡市全体から考えてみても、同様に大きな問題です。
―そうですね。では話は戻りますが、市議会議員の定数は64名として、定数を少なくしていくというお考えはないわけですね。
森 現在は、まず間違いなく増やす時期ではありません。本当は60名くらいにまで削減する方がいいのではないかとも思いますが、やはりそれぞれの区で人口も違いますし、地域性も違いますので、一概に適正人数が何名かということは言えません。ただし、今から、3〜4年後くらいまでには、ある程度の議員定数の修正は行なわなければならないのではないかと思います。
―福岡市の各区によって、人口の伸び方の違いもあるでしょうしね。西区や東区も、今後、アイランドシティが進行していけば、人口は伸びていくことと思います。
<市長と市議会の調整>
―最後に、市議会議員ないしは議長としての立場から、現在の髙島市政の運営に関して、ご意見やご提案はありますか。
森 提案と言いましても、市長は昨年に就任されたばかりですので、まだ現時点ではとくにありません。
市長サイドと議会、あるいは与党との調整や議論の場をつくっていくようなことが、私の務めだと思っています。市長にもそのようなお話は何度となくさせていただいておりますし、これからも市長と議会との仲立ち役として、議長の役目を果たしていきます。
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