東日本大震災にともなう福島第一原発事故の発生以降、原発依存のエネルギー政策が世界各国で見直されている。また、それに付随して、「節電」がひとつのキーワードとなった。一方で、石油資源の減少や温暖化などで、求められるエネルギー量そのものは決して減っていく傾向にはない。そうしたなか、省エネやCO2削減にも効果が期待できる多機能塗料「キルコート」への関心が高まっている。
<経済効果を生み出す6つの特長>
ひとくちで「断熱塗料材」といっても、さまざまな種類がある。日本国内では、80数社が製造・販売しているが、大きくわけると2種類。1つは太陽光を反射させることで熱を内部に入れないという塗料。そしてもう1つは、素材自身が断熱するという塗料である。ほとんどは前者のタイプが多いが、世間的には、この2種類をひとまとめにして「断熱塗料材」または「遮熱塗料」と呼ぶ。
ただし、反射するタイプは、外部の暖かい熱をなかに入れないが、内部の熱に関してはまったく関係がない。一方、素材自身が断熱するタイプは、外部の熱がなかに入らないうえに内部の熱を外に逃がさない。つまり、後者は、温暖なところでは外気を遮断し、寒冷地では部屋のなかの暖気を逃がさない、どちらも使える後者が本当の意味での「断熱塗料材」と言えるのではないだろうか。
(株)シンマテリアル(本社:東京都千代田区、川手浩社長)が開発・製造している多機能塗料「キルコート」は、アクリル樹脂に中が真空になった『中空ビーズ』をブレンドし、遮熱・断熱・保温の効果をあわせもった水性塗料。わずか0.3㎜の塗膜でも屋根・外壁に塗布すれば、夏は太陽熱を85%以上反射(塗料の色がクールホワイトの場合)し、建物内部への熱侵入を防ぐ。冬は、壁・天井・床に塗布することで、内断熱効果により保温(保冷)の役割をはたす。
よって、エアコン(暖房機)における省エネ、そしてCO2削減へ大きく貢献する塗料と言える。
また、柔軟性があるアクリル系『中空ビーズ』を全体の50%以上混入している「キルコート」は、優れた断熱性を保ちつつ、一般塗料に比べて約3倍程度の付着力がある粘着性と200%以上の伸びに耐える伸縮性を持ち、1回の塗布で15年以上の実使用に耐える耐久性を備えている。塗布した面が伸縮するため、ひび割れや剥離が起きにくい。
以上を要約すると、遮熱・断熱・保温・粘着・伸縮・耐久の6つの特長が、住環境や作業環境において、トータルで大きなコスト削減を生み出すということだ。
日本中央競馬会(JRA)では昨年(2010年)、美浦の厩務員宿舎に「キルコート」が使用された。同宿舎では湿気が多く、壁にカビが生えるという問題が生じていたが、「キルコート」を塗ることでカビが予防されたという。このほかJRの大宮駅待合所でも試験的に塗られた「キルコート」が評価を受けている。また海外では、熱帯のフィリピンにおいて、「キルコート」を古い建物の壁に塗布した際、外熱に強く剥離がないということから、その耐久性が高く評価されている。
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