＜新吾ちゃんの我欲が800億の赤字【最低】を招く＞
　新吾ちゃん！！　最後のコーナーに到達しました。書くことは満載ですが、第６回で終わりましょう。
　貴方は自分の会社の資金繰りを一考したことがありますか？「資金繰りをしない、したことがない」ということは貴方が民間企業の経営をしたことがないことを証明したようなものであります。言葉を換えれば「新吾ちゃんはお役所の組織を運営してきたに過ぎない」ということです。新吾ちゃんの我欲の持続（このまま来年（2012年）３月期まで居座れば...）は、最低800億円の赤字を生み、資金繰りを真剣に検討せざるをえない最悪事態に転落するでしょう。

　新吾ちゃんの我欲には、さすがに政策銀行も融資を見送っています。経済産業省の姿勢に対し、模様眺めをしているのです。そうであれば都市銀行、地方銀行が抜け駆けして融資の先導役を担うはずがありません。原発稼働が12月から完全にストップします。１日あたり火力発電に使うＣ重油の購入に10億円、これが13から15億円に増えるでしょう。そうなるとオイル購入などの運転資金が必要となります。それに対して金融機関が融資に難色を示したらどうしますか。理由は「松尾・眞部体制では貸せません」です。まー、天下の九電が資金調達に四苦八苦する様を目撃すれば中小企業の経営者たちが「ザーマ見ろ！！いい気味だ。中小企業の苦しみを味わえ」と、拍手喝采するでしょう。

　九州電力の平成23年度第２四半期決算（４～９月累計）の資料の一部を添付しています。同資料には、平成23年度（平成24年度３月期）業績予想と銘打って「依然として原子力発電所の運転再開時期が不透明な状況であり、下半期の需要動向を見極めることが困難であることから、通期の業績を未定としております。今後、業績の予想が可能になった時点で、速やかにお知らせします」とあります。

　新吾ちゃん！！これは一体、どうしたことですか。九州トップの企業である九州電力が半期の決算見通しを発表できないとは怠慢もいいとこですよ！！　会長・社長は即刻、引責辞任ものです。「何故そうなるのか？」を説明しましょう。先ほどの業績見通し不定の"本音"を入れて文章を策定しますと次の通りになります。「松尾会長が経済産業省と喧嘩している間はとてもじゃないが、原発稼働の再開はあり得ません。だから『見通しを立てれ！！』と命ぜられても不可能です。松尾会長が厳然と君臨すればするほど赤字が膨れます」と、なるのです。

＜火力発電のＣ重油の負担がネック＞
　筆者の事業の原点は、企業調査のアナリストです。過去、調査レポートを4,300件作成しました。その実績から企業の将来を見る目を養成しました。九電の成れの果ては近々、弊社会員誌「Ｉ・Ｂ」（有料）で論証します。一応、ここで簡単に整理しましょうか。補足情報を参照してください。九電単独決算において平成24年度３月期第２四半期の売上は7,000億円で、税引前純損益は267億円の赤字でした。その赤字の原因は原発稼働の自粛により、火力発電の負担が高まったことで燃料費が770億円増加したことです。前年対比で615億円の減益となり赤字に転落したのであります。

　データから面白いことが判明しました。燃料費の増加分の80％が減益の数字になります。下半期の見通しです。12月から原発がすべてストップします。新吾ちゃんが会長に踏み留まっていた場合の『原発稼働ゼロ』で試算しましょう。第２四半期で燃料代が2,115億円と計上されていました。筆者は、後半６カ月の燃料代を2,800億円と見積もります。そして昨年比で燃料代を1,346億円（平成24年度上半期と同様におく）に設定すると1,454億円の負担となってしまいました。この80％が減益分になる計算だと930億円になります。同時期の税引前利益が同じ348億円とすると、その数字から930億円引けば、マイナス582億円になるのです。通期で赤字849億円になります。

　どう判断しますか、新吾ちゃん！！　一説では2,400億円の赤字ともささやかれていますが、最低800億円の赤字決算にはなるでしょう。その時には永遠に「松尾会長の我欲で九電は大きな赤字に転落した。そのために様々な合理化に社員たちは悩まされてしまった。経営能力皆無の人だった」と、語り草になることを覚悟していてください。

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