10月26日、マリンメッセ福岡で日刊工業新聞社主催の「モノづくりフェア2011」が開催された。その会場の「アジアビジネスコーナー」では、はるばる中国・大連から大連成華プラスティック有限公司と大連恒新精密模具製造有限公司の2社が出展していた。なんとこの2社、大連でとなり同士の会社。取引関係もなく、何か見たことのある会社だなという程度で、お互いに福岡の展示会出展など知るよしもなかったという。そのため、中国でとなり同士の会社が福岡の展示会場でとなり同士となり、初めての名刺交換。プラスティック部品製造会社と金型製造会社、「関連ありますね。これを機に仲良くしましょう」と親交を深めていた。
大連成華プラスティック有限公司の社長秘書、社長令嬢の劉穎(リュウイン)さんは、単身で大連から福岡の展示会に来て流暢な日本語で自社製品の説明をしていた。法政大学に3年間留学していたとあって日本語はお手のものだ。日本語の会社概要書も自分で作成したという。大連成華プラスティック有限公司では、日本のリョービ大連の工具部品を製造したことをきっかけに、日立、東芝、松下電工など日系企業からプラスティック部品製造を受注、今では受注の8割が日系企業からのものだという。そのため、社内で日本語教育に力を入れ、幹部社員のほとんどは日本語が話せるそうだ。劉穎さんは「福岡には初めて来たが、便利だしとてもいいところなので、機会があったらぜひ営業所を出したい」という。
一方、大連恒新精密模具製造有限公司は、副社長の汪強さんと通訳兼営業課長の魏爽さん2名で来福、日系企業から選ばれた金型技術力の高さをアピールしていた。日本では名古屋に営業所を持ち、自動車部品メーカーが多い九州にも取引拡大すべく福岡の展示会に参加したのだという。
こうして、日本から遠く離れた中国・大連に本社を置く2つの中国企業が福岡で出会った。この日系企業を取引先にもつ日本びいきの2つの中国企業にとって、「アジアの玄関口福岡市」で開催された「モノづくりフェア2011」がさらなる事業拡大のキッカケとなってほしいものだ。
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